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悩む四郎、そして鈴と雛

「楓!俺は四郎と一緒に美濃に行くから留守を頼む」

「時々転移で帰るけどね。楓に会いに」

美濃攻略の第一段として斎藤義龍の暗殺を行う。

俺の能力なら義龍を殺さなくても美濃は落とせるが、やはり義龍は殺す必要がある。


俺と四郎は美濃に入る途中の木曽川で鮎やウナギを取ることにした。

川辺で今夜は野宿だ。

元の世界で仲間たちと一緒に川辺でバーベキューをよくやったことが懐かしい。

「四郎、葵とはどうなっているんだ?」

俺はいつも楓と一緒にいるから四郎とゆっくり話をすることが無かった。

桶狭間、巫女舞、松平との同盟と忙しく仕事をしていたからな。

突然の俺の問いに四郎は驚いていた。

「何もありません」

四郎はうつむきポツリと(つぶや)いた。

「お互いに好きあっているのだろう?」

「結婚は考えていないのか?」

俺の問いに四郎はさらにうなだれて答えた。

「葵は長秀様や楓さんのことが大好きで、屋敷から出たくないのです」

「能力が上がり、長秀様に信頼され、1人で仕事を任されて今が楽しくてしょうがないみたいです」

前の世界でもよくある話だった。

「四郎には将来、忍びの集団を統括してもらうつもりだ」

「葵は頭がいいから、食糧、武器などの調達の丹羽家の内の仕事をしてもらう」

「俺が城持ちになったなら、葵と結婚して隣りに屋敷を持て!」

「これは命令だ!」

「美濃を攻略して信長様に城をもらう」

「たぶん来年になる。予定しておけ!」

俺の言葉にまだ四郎は元気が出ない。

「俺の命令が聞けないなら、四郎と葵は丹羽家から追い出すから、その事を葵に伝えておけ!」

もう(おど)すしかないな。

「そんなこと」

「長秀様と楓さんが大好きな葵は私と結婚しないといけないじゃないですか」

四郎は悩みだした。

四郎は俺の言葉の意味が分からないらしい。

命令が聞けないなら追放、結婚しても隣りに追放!

それでいいのだ!


side 鈴、雛

「新しい舞と旦那様がおっしゃっていたけど、まるで見当がつかないね」

雛が鈴を見つめ、頭をかかえていた。

「四郎さんと出て行く時に、少しぐらい助言してくれても良いのに」

「鈴、何か言ってよ!」

雛は小さな(ほほ)(ふくら)ませ、ぶつぶつ愚痴(ぐち)()いていた。

「旦那様は私たちに何を求めているのかしら?」

「遊戯を通して私たちに考えることの大事を示してくださったけど」

「一向一揆に対抗する力?」

「私に可愛いとか、大切だとか言ってくれたけど」

「え?求めているのは、私の身体(からだ)?」

鈴は顔を真っ赤にして自分の世界に入っていた。

「え?雛だって旦那様に可愛いっていつも言われているもん!」

「ぷん、ぷん!」

雛の頬がさらに膨らみを増した。

「おい!二人ともいい加減にしろ!」

「長秀様に二人とも可愛いと言われて喜んでいるが、長秀様の力ならいくらでも可愛い()を集めてしまうぞ」

「この前の遊戯で俺たちの能力を(ため)されたんだ」

「有能であることを示さないと」

「たぶん長秀様は1ヶ月留守にする事で、さらに俺たち試している」

「俺たち代わりは幾らでもいるんだぞ!」

五作が大声を上げた。

「だが鈴と雛に長秀様は何を求めているんだ」

「一向一揆に対抗するだけなら、楓神子様で充分だと思うが?」

五作も頭をかかえだした。

「求めているのは、楽しさじゃないかな」

鈴と雛と五作の話に楓が口をはさんできた。

「怪我や病気を治すだけでは、この世に極楽は作れないと思ったからかな」

「旦那様は一向宗に対抗して、この世に極楽を作ると言っていたから」

五作、鈴、雛が楓を振り返った。

「あれ?楓様は葵さんと話をしていたはず、でしたけど」

五作が楓に不思議そうにたずねた。

「葵はもう出て行きましたよ、楽しそうに」

「旦那様から(いただ)いた役目を()たすために」



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