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アイドル達、名前決まりました

「天乃岩戸」について

太陽の神、天照大神が怒って隠れた場所。

太陽が隠れた事でこの世が暗闇になり、困った神々が岩戸の前で宴会、馬鹿騒ぎを企てた。

それをのぞき見ようとした天照大神を引っ張り出し、この世に光が戻ったという話から。

実際は「天岩戸」と書きますが、作者が4文字にしたかったので「天乃岩戸」としています。


清洲に戻った俺たちは屋敷に向かった。

みんなが心配しているだろうから安心させよう。

屋敷の中に入ると雛が抱きついてきた。

雛が俺の腕の中で泣きじゃくり、鈴も泣いていた。

まるで子供だな。

「安心しろ。松平との同盟は上手くいった」

「今日は祝杯だ」

「葵、酒は?料理はあるか?」

突然帰ってきて直ぐに料理を葵に頼むのも可哀想だな。

俺は異空間収納に入れてあった元康の屋敷で出たご馳走を振る舞った。

あ!皿も持ってきてしまった。

まぁいいか。巫女舞の報酬として貰っておこう。

俺と楓は信長の屋敷でご馳走をよく食べていたので気づかなかったが、四郎、葵、五作、勇太は初めてだから目の色が変わっていた。

鈴と雛は元領主の娘だからそれ程でないと思ったが、それでもご馳走はうれしいみたいだ。

「楓さんは旦那様と一緒に信長様の屋敷でご馳走を食べているのでしょう、羨ましい!」

「私も側室だから信長様のご馳走を食べてみたい!」

鈴と雛が不平を言って楓を困らせていた。

そういえば信長も俺に気をつかっているのか、いつもそれなりのご馳走が出ていたな。

「俺の屋敷の料理が普通だと思うなよ」

「米や肉が食べられるだけで充分だ」

「だよな、五作。元の生活に戻れるか?」

五作は顔を大きく左右に振っていた。

雑穀米(ざっこくまい)を食べ、肉など滅多にしか食べられないのが普通の領民だよな。


俺は一呼吸おいて皆の顔を見回した。

「明日、信長様へ同盟の報告に行き、知行をいただく」

「配下も増やすことになるだろう」

「五作、これからは四郎に代わって巫女舞の取りまとめ、神社との交渉をしろ」

「もう神社に強く出てもいい。利益を出せ」

「勇太、配下が増えたなら巫女舞のお囃子から外れ、武術の指導をしろ」

「一隊を任せられるように戦術も学んでおけ」

「鈴、雛。信長様への報告が済みしだい俺と四郎は半月か一月の旅に出る」

「その間に楓抜きの2人だけの新しい舞を五作たちと作れ」

「後々京で舞い、将軍様の前で舞うから、そのつもりでいてくれ」

「同盟の成功は功名の一つにすぎない」

「さらなる功名を上げていく」

「皆、覚悟して俺について来い」

「はい!」

息の合った7人の声が響いた。


「旦那様、私は何をしていれば良いのですか?」

信長の屋敷に向かう途中で楓が聞いてきた。

「楓はいつもと同じ、全体を見て助けてやってほしい」

「葵には神子、巫女舞の評判を調べさせようと思っているから、葵が1人では危険だと思えば一緒に行ってほしい」

「ただ、俺は急に帰ってくるかもしれないから、屋敷に楓が居ないと寂しいかな」

楓と離れて行動するのは初めてだからな。

「葵なら1人でも大丈夫だと思いますが、遠くに行くようなら私も一緒に行きますね」

俺と楓はいつも並んで歩くようにしている。

女性が2歩も3歩も後ろから歩いている男性上位の戦国時代では、目立つ2人だか気にしない。

初夏の日差しが心地よいから、ゆっくり楓の横顔を見ながら歩くかな。


「元康は同盟を承知しました」

「元康が清洲に来ますので日程はお任せします」

いつもの部屋で信長に報告していた。

今日は楓を部屋の外に待たせた。

知行の件で()めるかもと予想して。

「ご苦労様。ユージ殿は仕事が早いな」

「安祥の話は聞いている」

「1000人近い熱狂的なファンを捕まえたらしいな」

「元康も慌てたみたいだな」

面白いらしくニヤニヤしていた。

「しかし、何をしたのかな?」

「ワシの忍びが丹羽家の嫁たちの舞にメロメロになって帰ってきたぞ」

「丹羽家の中に入りたいから、忍びの仕事をやめたいと言ってきた」

信長の目が笑ってなかった。

「あっ!すみません。安祥の観衆の中に信長様の忍びが混じっていたのですか?」

「魅了という魔法を使ったので楓たちの(とりこ)になってしまったのですね」

「三河だったので手っ取り早く魔法でアイドル人気を掴み取りにいきました」

当然、信長も俺を監視しているんだな。

興味本位の監視なら俺のやっている事は面白いだろう。

「一向一揆に対抗するのですから、アイドルとして爆発的な人気を早く掴んでもらわないと困ります」

俺の言葉に信長も小さく頷いていた。

「で、アイドルたちのこれからの展開はどうなるのかな」

やっぱりアイドルの話に関心があるのですね。

「信長様から譲り受けた鈴と雛の2人を派生ユニットとして、新しい舞を作ろうと思っています」

信長は頷く。

「それで?」

信長は次を催促してきた。

え?どんだけアイドルに興味があるのですか?

「グッズを作りたいですね」

「アイドルにグッズは必需品ですから」

「ペンライトは無理ですから、楓神子のお札とか名前入りのタオルとか」

あ!楓たちの名前が決まってなかった。

「えーと、名前ですね」

清洲でKYS?アルファベットは使えないよな。

赤坂?狸坂?モモしろ?

カタカナは?この時代に無いよね。

「うーん!名前は天乃岩戸(あまのいわど)にします!」

天照大神に関係があって、暗闇(くらやみ)に光を導く場所。

「面白いな!」

信長も気づいたみたいだな。

この時代なら知っている人は多いだろう。

「ユージ殿、引き続きワシを楽しませてくれ」

え?そっちの方向?

一応、一揆対策でアイドルをやっているんですけど………。


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