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楓、巫女になります

桶狭間の戦いは織田の大勝利になった。

信長が桶狭間に着いた時には、すでに今川軍の混乱は始まっていた。

混乱の中、騎馬隊が突撃して織田軍の死傷者はごく少数だったらしい。

織田方の砦で多くの死傷者が出ているのを忘れ、清洲の町は戦勝祝いで盛り上がっていた。

俺達と一緒に戦った者達への報酬は小一郎に渡し、任せることにした。

更にその中に義元に一番槍を入れた者がいた為、信長からの褒美が出るだろう。

彼らには美味しすぎる戦さになった筈だ。

次の戦さに喜んで参加してくれるだろう。


俺は楓を連れて信長の屋敷へ信長に会いに行った。

屋敷の中の者も勝ち戦さに浮かれていた。

信長は上機嫌で俺達を迎えた。

「ユージ殿の策で織田軍の大勝利となった。ありがとう」

「圧倒的な武勲第一等であるが辞退したいと?」

信長直々に名前を呼ばれたら、尾張周辺の大名に警戒されてしまう。

「まだ今は目立つ事は避けたいです」

信長は俺の言葉に頷き

「うむ、そうであるな」

「しかし人の噂に戸は立てられないぞ」

「さて、褒美は50貫の約束だが、100貫を受け取ってほしい」

「ワシの気持ちだ。目立たなければ良いだろう」

「金は幾らあっても困らないからな」

「無論、この金で三河近くの土地の話は無くなる事はない」

他の武将に気づかれなければ良い。

手柄を立て過ぎると嫉妬による嫌がらせなどの面倒な事が起こるからな。

「で、ユージ殿はこの後、どの様に動くのかな?」

「楓をアイドルにしようと思っています」

「アイドル?」

信長は面白そうに笑った。

「ユージ殿もアイドルヲタクなのかな?」

え?信長さん。も?

「握手会には参加しているのかな?」

「ワシはまゆゆ推しでグッズはフルコンボさせたし、総選挙には毎年20万円ぐらい使ったよ」

信長は熱く語りだした。

俺はライブでハチマキして飛び跳ねている信長を想像してしまった。

「俺はみくりん推しでしたけど」

「お金が無かったので、時々握手会に参加した程度です」

信長にはアイドルというワードは地雷だったみたいだ。

「推しに認知されると嬉しいからな」

「で、アイドルグループでも作るのか?」

「48人か?」「46人か?」

信長が止まらない。

「ライブイベントみたいな事はしようと思ってますけど」

いや、そうでない!あ、そうなんだけど。

まず落ち着こう。

「信長さん、話を聞いてください」

「天下統一するには一向一揆が邪魔なのです」

「俺は治癒魔法が出来ますので、楓を神子にさせます」

「信長さんが戦勝報告で熱田神宮に詣でた時に天照大神が現れ、乱れた妾の国を救ってほしいとの天啓があったとして」

「信長さんがこの国を救えるようにと大神より神子が遣わされた」

「という話を作ります」

理解しました?

「つまりワシが神勅を受けた事にして、楓をそのシンボルにするのか?」

はい!その通りです。

「仏教に神道をぶつけます」

信長はニヤリと笑って

「面白い!やってみるか」

信長の了解が得られたみたいだ。

俺達の話を聞いていた楓はニコニコ笑っていて、声を発する事が無かった。

どこまで分かっているのかな?


楓に巫女装束を着せた。

「これが旦那様が言われたアイドルというものですか?」

巫女姿になった楓は更に可愛い!

俺は楓に今からする事、言う事を耳打ちした。

「え?そんな事をして良いのですか?」

俺はにっこり笑って頷いた。

「四郎、葵。楓は今日からアイドルで神子になる」

「そのつもりでこれから楓に対応するようにな」

2人は不思議そうに頷いた。

驚くなよ!今日で歴史は変わる。


信長の命により清洲城にこの前の戦さの負傷者が集められた。

砦での戦いがあったので、70人ぐらいの負傷者が集まった。

怪我の状態も酷く、手足を失っている者もいた。

「創造魔法、認識阻害発動!」

俺が魔法を使っているのが知れるとヤバイので、姿を隠した。

楓、四郎、葵には俺の姿が見えるが、集められた負傷者達には俺の姿は見えない。

「丹羽長秀様正室、楓様より大神様から頂いた仙術をここに集まった者達に施します」

四郎が大声で叫んだ。

俺は脳内通信で楓に伝えた。

「楓、始めろ!」

楓は負傷者達の前に進み出て、目をつぶり合掌した。

「信長様の命により、天照大神様から頂いた力で、あなた方を癒します」

楓の透き通った声が響き渡る。

俺は姿を隠した状態で楓の背後に回り魔法を放った。

「治癒魔法、エリアハイヒール拡大!」

集められた負傷者達に柔らかな光が包む。

「おおお!痛くない!」「傷がふさがっている!」

「奇跡だ!」

「楓様、ありがとうございます」

負傷者達の喜びの声、驚きの声が巻き起こった。

ある者は天に向かって合掌し、ある者は楓に向かって合掌し土下座していた。

しかし、手足を失った者は元の戻ってはいなかった。

俺は楓と四郎に脳内通信を発した。

「四郎、手足を失った者を優しく楓の前に集めよ」

「楓、違う魔法を試すから、それなりの形を作れ」

適当に指示したけれど、楓は大丈夫かな?

楓は天を仰ぎ、頷いた。

「織田様に忠義を尽くし者、大神様はお救いしろと私に命じられました」

よし!楓、うまいぞ。

「創造魔法、肢体復元発動!」

眩しい光が放たれ、ゆっくりと手足が元に戻っていく。

静かに様子を見守っていた者達が大きな歓声を上げた。

「神の御使い、神の子が現れたぞ!」

「楓様!神子様!」

神子が現れた!の騒ぎは日暮れまで続いた。

噂が広まり、楓の姿を一目見ようと清洲の住民が集まってしまった。



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