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埋める
喧騒のなかに
自己をうずめて
一瞬 あくびをかみ殺す
すがたかたちが
変幻自在なこころもようを
つかみきれないならそれもそれで
コンクリートの温度は
冷たいくらいがちょうどいい
喧騒の熱には鈍感で
靴ひもがたまに
ほどけてしまうくらいがいい
さよならって
新しい傘を差した
ランプのともしびみたいなわたしを
迂遠に知ってほしいのですよ
さびしいなんて
やだな
思っちゃいないんですよ
春はうつくしすぎるから
すこし引け目をかんじるだけ
さびしいなんて
思っちゃいないんですよ