眩むような闇
・・・
ふと気づくと、そこはまた真っ白な空間。
「……あれ、私…?」
『どうだ?私の力は』
「………エンター…プライズ?」
『……ああ、そうだ』
「何?何がどうなってるの、これ?説明してよ…」
『お前は今、気を失っている。
ナアヤ…だったか?あの小娘が死んだことで、ショックを受けて気を失ったのだ』
「……ナアヤが…。
そう、やっぱりあれは夢じゃなかったんだ……。
あれはアナタがやったの?」
『まあ、事実としてはそうなるな。
もっとも、契約者以外にとって私の存在は認識不可能だ。
誰が殺したかは永遠の謎として闇に葬られるだろうな』
「……私、覚えてる。
ナアヤを……殺したいって思った」
『…で?』
「エンタープライズ、言ってたよね。
私の願いを聞くって。
私がナアヤを殺したいって思ったから、エンタープライズは実行したんだよね?」
『そうだ。お前が強く願ったことを実現させたのだ。
だが、それが何だ?思うだけでは罪にもならぬ』
「でも、そのせいでナアヤは死んだ」
『だからどうする?お前はナアヤが死んだからどうしたいと言うのだ?』
「……罪を……償う」
『どうやって償う?お前がやった証拠などないぞ』
「…それでも……!」
『いい加減にしろ。お前は願えば良いだけなのだ。そして私はそれを叶えるだけ…。
無償で何でも叶えられるのだぞ。なぜ悔いる?』
「だって……こんなのおかしいよ!」
『何のデメリットもなく全てが思いのままに進む人生だ。拒絶することなどあるまい』
「私は成長したいって言ったでしょ!こんなの成長じゃないよエンタープライズ!」
『……やれやれ、子供はやはり扱いに困るな。
自分から願っておいて、いざその願いが叶うと駄々をこねる…』
「………!」
『さて、お前の友人がお前を心配している。
そろそろ目を覚ませ。私はお前の願望と共に再び現れるだろう…』
・・・