幕間 ここまでのあらすじ
かつてエドアルト大陸を恐怖に陥れた魔界の王、邪竜アンドラスが勇者アレックスによって封印されて300年。大陸は平穏に包まれていた。
しかし当時、アレックスの隙を突いて封印を逃れたアンドラスの眷属マルクァスは、己の力の回復を待ち、ついに邪竜を封印から解き放つことに成功する。300年の時を経て自由の身となった邪竜は、再び大陸を魔族のものにせんと人界での虐殺を開始した。
大陸の僻地にあるトール村にも、邪竜の魔の手は伸びていた。村の青年ハルバート・クロムウェルは、偶然にも村に保管されていた勇者アレックスの聖剣、バルムンクを手にし、見事邪竜の手下である魔族から村を守り抜く。これをきっかけにハルバートは、この惨状から人々を守り抜くことこそが自らの使命だと確信し、邪竜を討伐するため村を後にした。
その後、道中で出会った記憶喪失の少女セリア・ハーネス、邪竜によって故郷を失った兄妹テオボルト・ブラッドとエミリー・ブラッドを仲間に加え、ハルバートは旅を続ける。
旅を続けていく内、邪竜自らによって生み出された4人の強力な眷属マルクァス、コッカス、トリストル、ヴェガの内、マルクァスを除く3人の眷属の打倒に成功したハルバートたち。
しかし最後に戦ったヴェガとの戦闘中、ハルバートの力が暴走。自我を失ったハルバートは、ヴェガのみならず、助けに入ったエミリーまでにもその剣を振るい重傷を負わせる。テオボルトとセリアの手によって、どうにか正気に戻ったハルバートであったが、消滅際のヴェガの口から、ハルバートの内には邪竜の血が流れていることが語られる。
自らに眠る邪竜の本能に苦しむハルバート、その心境を慮ることしかできないセリア、妹や故郷そして仲間としての思いの間で葛藤するテオボルト、重傷を負い今も意識が戻らないエミリー。
彼らはそれぞれの思いを抱えたまま、ひとまずエミリーの傷を癒すため、現在地から最も近いローリエ村を訪れる。
ジョージは穏やかな朝の陽ざしを浴び、今日も心地よく目覚めた。