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第0話「決意表明」

更新は多めだと思いますが、話の展開は遅いです。

 引きこもりってのは最高だ!

 寮付き、飯付き、365日有給休暇、おまけに小遣い(きゅうりょう)まで貰えてしまう。

 不満なところは自由な時間が少ないって所かな? 

 おかげで17歳っていうアイドルで言えば黄金期を迎えたというのに女っ気ひとつ無いんだよ。全く、参っちゃうよね!


 冗談はこのくらいにしておこう。

 俺はしがない引きこもり若年ニートであり、名を坂木晴真さかき はるまと言う。

 ちなみに、最終学歴は今時珍しい中卒だ。

 その上引きこもっているから、世間の風当たりはめちゃくちゃ冷たい。

 同情の眼を向けられることも少なくない。


 だが、誤解はしないように! 

 俺は社会から弾かれて、泣く泣く引きこもった訳ではない。厳正なる選考の結果、引きこもりになることを選んだのだ!


 きっかけは中一の春に見た引きこもり特集番組。

 スタジオの司会者やゲストが様々な引きこもりを見て、顔を引きつらせながら苦言を呈するくだらないものだと思っていた。


 最初の内は予想通り、引きこもりというよりは鬱病患者が大半で、もはや生きる屍のように見えていた。

 スタジオのタレント達も同じなのか顔をしかめて、口元を引きつらせている。

 場の空気が重々しい。



 その空気を払拭しようとしているのだろうか、司会者が次の話題を上げ、VTRが流される。


 映っていたのはスタジオに居るイケメン俳優の笑顔と比べるとあまりにも汚く、気持ち悪い豚の微笑みだった。 女タレントは口に手を当てて今にも泣き出しそうだ。


 しかし、この汚い笑顔が心からの笑顔だということが見て取れる。

 俺は、ここまで自然な笑顔を醸し出せる人を知らなかった。


 俺に夢ができたのは、この瞬間だ。





 俺はHikikomoriヒキコモリになってこの人みたいに幸せになってみせる!


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