Prologue:悪夢の種
こんにちは、魔狗羽です(^O^)/
今回、<隠れキャラ>の読者数が*百人を超えたので、投稿しましたf^_^;
では、ごゆっくり(^_-)-☆
<謎の行方不明から1年…K県H市のとある小旅館で遺体を発見!……>
秋波平彦は日曜日の朝、外に降る雨の音を聞きながら、この興味深い記事を目で追っていた。
<この旅館は3年前に廃業して、そのままの状態だった。その中から、高野涼(16)、高野仁(16)、火宮拓(16)が迷彩服姿で遺体として発見された。彼等は1年前、行方不明者として警察が捜索したが見つからなかった。しかし、K県は調べていなかったという。3人ともK県から離れたE県に住んでいたためである。そして彼等は腰にスイッチを装着しており、このスイッチを押した際に死亡したと考えられている。このスイッチには………
平彦は1年前、ある高校生3人の失踪事件のことを聞いて、自分の耳を疑った。
その高校生3人は、自分と同じ学校の生徒なのだ。平彦の通っている学校は、中・高とエスカレーター式に進学出来る私立の学校で、平彦は今中学3年生だ。つまり、失踪した生徒とは2学年違いということになる。
だが彼等のことを"先輩"とは言い難い。あまりにも現実離れしていているからだ。
失踪…?遺体…?迷彩服…?スイッチ…?
だが、いやだからこそ、平彦は妙な違和感を感じていた。"現実離れしている"とは"日常とは違う"そして"日常から抜け出せる"と思うのだ。
平彦は、日常に、飽きていたのだ。
遂に見つかったか……。渋木純は陽がささない為に暗い部屋の中で、新聞を開いてため息をついていた。
当初、純がこの記事を見つけた時、頭の隅にいつも引っ掛けていたことがいきなり正面から現れて、きいん、と頭が痛くなり、すうっとお腹の底が抜けた感じがした。
あれからずっと、友達の前では明るく振る舞っていたが、1人になると頭はあのことばかり考えてしまう。1年間、ずっとそんな感じで気が滅入ってしまっているのだ。純はもう一度ふう、と無表情でため息をついた。
久しぶりに、どきどきしている。いつも通りに朝6時に起きて、自分で朝ごはんを作って食べていた倉囲宮黄臣は、新聞を見て、目を輝かせた。いつもずっと"日常"に支配され、"日常"に縛られてきた。そんな憂鬱な気分を吹っ飛ばしてくれるようなこの記事は、冒険の好きな黄臣にとって、最高のものだった。
黄臣は昔から冒険が大好きで、小学生の頃は、よく森の細道や、初めて来た街の裏道等を友達と一緒に進んでいった。だが、中学に進学すると、友達は恥ずかしいからと、冒険をしなくなった。だから、友達と交わす他愛ない会話等で一日を過ごしていたのだが、やはりスリルに欠けるのだ。自分が求めている、スリル。
そして、この新聞……。K県H市か……。
黄臣はある計画を考えついた。それは、彼から見れば、最高の計画だろう。しかし……
同じ場所で、悪夢がもう一度………。
蘇ることになるとは、現時点では、誰も知らないだろう。