表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神乳無双 ~おっぱいに潰されて転生したら、俺がAAAAカップになっていた件~   作者: なるかわ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

9/15

第9話 神乳剣


 森の中に、看板が増えてきた。

【この先、伝説の剣あり!】

【伝説の剣を祀るサビレ村へようこそ!】

【ガチのマジで本物の伝説の剣あり!】

【観光客歓迎! 誰でも観覧できます!】

【おひとり様観覧料10万リア!】

【引き抜けたら伝説の剣プレゼント!】

 「ガチのマジで」という文言が全ての信頼を破壊していた。

 俺は看板を眺めながら冷静に分析した。引き抜けたらプレゼントという太っ腹な条件から逆算すると、パターンは二つだ。誰にも絶対抜けないよう物理的に固定されているか、あるいは安物の剣を誰でも抜けるようにしておいて「おめでとうございます」と言って終わるかだ。村おこしの匂いがする。

「お前ら伝説の剣を探していたのか」

 フィナがボソッと言った。

「冒険者ギルドで聞いて、少し気になってな」

「観覧料が一人10万リアだぞ。四人で40万リアだ。それだけありゃ馬車で王都まで行けるんじゃないか」

「わたくしたちは修行も兼ねて徒歩で向かっているんです。それに40万リアはそこまでの大金でもないでしょう」

「……大金だろ。そういえばお前、名前は」

「リアナ=ヴォルムと申します」

「ヴォルム? まさかヴォルム家の? どうして貴族様がこんな……」

 フィナは「貧乳と」と言いかけて、リアナの目を見て止まった。正しい判断だった。

「こちらはミルカさんと、ミリ様です。偉大で尊いお方たちですよ」

 リアナは笑顔のまま言った。俺はその笑顔の裏に殺気が待機しているのが分かった。

 フィナは小さく「……そうか」と言って前を向いた。

 さらに歩くと、木造の家が建ち並ぶ小さな村が見えてきた。そこに、一人の老婆がいた。

 俺の乳スカウターが反射的に作動する。推定アンダー90前後、Hカップ。齢八十ほどと思われるが、その数値は健在だった。さすがバストリア王国、年齢を問わない巨乳率。

「おや、旅のお方。伝説の剣を見に来たのかえ」

「ああ。案内してもらえるか」

「ケケケ、じゃあ一人10万リア、よこしなされ。そこの貧乳二人は追加で10万リアじゃ」

 老婆はしわだらけの手のひらを差し出した。

 貧乳割増料金まで徴収するのか。

「絶対詐欺だよこれ」

 俺は小声でミルカに言った。

「でも本物かもしれない。強力な武器が手に入れば、王都への道中が安全になる。60万リアは私が出す」

 ミルカは麻袋から金貨を六枚取り出し、老婆に渡した。

「ケケケ、毎度あり。付いてくるがええ」

◆ ◆ ◆

 老婆に案内された先は、村の近くにある大きな洞窟だった。

 内部は水たまりが点在し、岩盤が濡れた光を反射している。しばらく進むと、ひらけた空間に出た。

 その中央に、剣が一本、地面に突き刺さっていた。

 見た目は質素だ。柄に細工もなく、刀身は半分以上が岩に埋まっている。しかしその剣の周囲だけ、空気がわずかに違う気がした。

「あれがこの村に代々伝わる伝説の剣、神乳剣しんにゅうけんじゃ」

「神乳剣……」

 ミルカの声が変わった。

「代々伝わると言ったが、冒険者ギルドでは最近発見されたと聞いたぞ」

「この剣はわしが生まれるより前、数百年前からここにあったのじゃ。ただ数年前に村長が代わって、外にも公開するようになったのじゃ。村の言い伝えでは、神話の時代に伝説の女神様がこの地に降り立ち、あの剣を置いていったとされているのじゃよ。ケケケ」

 女神。

 その単語を聞いた瞬間、胃のあたりがざわりとした。パイシアのことを思い出した。全宇宙のおっぱいを統べるという自称女神。あいつが俺をこの体にした。女神がこの地に剣を置いていったというのは……本当に偶然の話なのか。

 俺は引き抜きたい気持ちが、さっきより少し強くなった。

「引き抜いた者には剣を渡すと看板に書いてあったが、本当か」

「ケケケ、本当じゃ。じゃが今まで引き抜けた者は誰一人おらん」

「やってみよう」

 ミルカが歩み出た。剣の柄に手をかけ、力を込める。

「……物理的な固定ではないな。何か強力な魔力で封じられている」

「ケケケ、三こすり半じゃよ。選ばれし者が柄を三こすり半すれば、引き抜けるという言い伝えじゃ」

「三こすり半」

 ミルカは言われた通りに試みたが、剣は微動だにしなかった。

「魔法でぶっ壊すのはどうだ」

 フィナが言った。

「どうやらこの洞窟の岩には純度の高い反魔鉱石が含まれています。魔法を使ってもここでは打ち消されてしまうでしょう」

 リアナが静かに分析した。

 ここで俺は考える。三こすり半、そして抜く。閃いた。

「ちょっと待って。三こすり半というのは、手で、とは言ってないよな?」

「……何が言いたい」

「この剣を引き抜くために胸を使うというのはどうだろうか。胸は魔力が最も集中している部位なんだろ。胸の魔力と剣の魔力が共鳴して、封印が解けるかもしれない」

 静寂が一瞬あった。

「……その発想はなかったな」

 ミルカが顎に手を当てた。否定しなかった。

「胸の魔力と剣の魔力が反応する可能性は理論上ある。一応、試す価値はあるだろう」

 再び一瞬の静寂。

 俺はフィナの顔をチラリと見た。

「なんで私の方を見るんだよ!」

 フィナが一歩退いた。

「フィナのGカップなら十分に挟めると思うんだけど」

「なんで私のサイズ知ってんだよ! 絶対やらないからな!」

「じゃあリアナは」

「えっ、わたくしですか」

「リアナの魔力量なら、剣の封印と共鳴できるかもしれない。ミルカもそう思うだろ」

「……可能性はある」

 ミルカが静かに頷いた。

「ミ、ミルカ様がそうおっしゃるなら……」

 リアナはゆっくりと剣の前に立った。

 上着を脱ぎ、躊躇いの後、内側も外した。洞窟の薄暗い光の中で、白い肌が浮かんだ。彼女の胸はIカップ、トップバストはおそらく百センチ超え。

「剣の柄を……こうですか?」

 リアナは剣の柄を両胸でそっと挟んだ。ぷにっとした感触が伝わってくるような気配がした。

「そのまま三こすり半、魔力を意識しながら上下に動かすんだ」

「は、はい……」

 ミルカに言われてリアナは剣を挟んだまま、ゆっくりと上下に動き始めた。その動きに合わせて、豊かな胸が柔らかく揺れた。

「もう少し、胸全体で魔力を送り込む意識で。細かく揺らすように」

「わ、分かりました……んっ」

 リアナが両手で胸を押さえるように支えながら、細かく揺らした。剣の柄をしっかりと挟んだまま、三こすり半。

 しかし、剣は動かなかった。

 リアナはひとしきり頑張った後、ミルカのところへ戻ってきた。

「申し訳ございません。抜けませんでした」

「よく頑張った」

 ミルカはリアナの頭を静かに撫でた。

「リアナ、本当にありがとう!」

 俺は盛大に拍手した。

「……リアナ、おっぱいでかいな。さすが貴族だぜ」

 フィナが小声で呟いた。

「ケケケ、何をしようと抜けはせん。去年、幽玄のリンシェン様が来られたときも抜けなかったのじゃから」

 老婆がぼそりと言った。

「リンシェンが来たのか」

 ミルカの声が変わった。

「幽玄のリンシェン……それって乳華十傑の三位だろ。そんなやつまでここに?」

 俺は言う。

「彼女は偽物のためにわざわざ動く奴ではない。この剣は本物だな」

 ミルカが静かに言い切った。

「だったら余計に諦めるわけにいかないな。俺が試してみよう」

 俺は剣の前に立った。

「ミリ先輩の胸じゃ挟めないだろ……」

 フィナ憐れみの目で言う。

「先輩? まあ、俺に挟める胸はない。だから手で抜く」

「……手で?」

 俺は剣の柄を片手でしっかりと握った。

 思えば、この感覚は知っている。棒状のものを握り、適切なリズムで振動させる。男として生きてきた中で培った、生来の感覚だ。乳華解放はできない。魔法も使えない。しかし、このくらいの棒を手で抜くことは、俺の専門分野と言っても過言ではない。

「いくぞ」

【秘技 神之振動ディバインバイブレーション

 俺は手首を小刻みに震わせながら、柄をきっかり三こすり半した。

 次の瞬間、剣が光った。

「なんだと」

「ミリ様……」

「……すげぇ」

「なんじゃこれは!? こんなことありえん!」

 老婆の声が初めて動揺していた。

 光は柄から刀身へと広がり、洞窟全体をやわらかく照らした。そして、地面に埋まっていた剣が、ゆっくりと浮き上がってきた。

 俺は力を込めて、まっすぐに引き抜いた。

 ずっ、と、音がした。

 剣が抜けた。

 光が、すうっと収まっていった。

「ミリ様、どうやって……」

 リアナが息を呑んでいる。

「俺は1日8回も抜いたことがあるからな。この程度の棒を抜くことは朝飯前だよ」

「8回……! つまりミリ様は常日頃から剣を用いたウエイトトレーニングをされているのですね。だから腕力が……なんと素晴らしいのでしょう!」

 リアナは感動して目を潤ませた。まあ、そういうことにしておこう。

「……ハハ。いいねミリ先輩」

 フィナが苦笑いをして言った。

「お婆さん、引き抜いたから貰っていくよ。看板にそう書いてあったし」

「……バカ者が!」

「え?」

「この、盗っ人どもがあああーーーーー!!!」

 老婆の叫び声が洞窟に轟いた。

「待ってくれ、看板には引き抜けたらプレゼントって……」

「ミリ、逃げるぞ」

「え、えっ?」

「走れ!」

 俺たちは剣を抱えたまま洞窟を全速力で駆け抜けた。老婆の「待てぇーーーー!」という声が後方で響いていたが、最終的に振り切った。

 森の中、息を切らしながら四人で立ち止まる。

「観光資源を失ったわけだから、怒るのも当然か」

「まあ、問題ない。この剣は本物だ。大事に扱え、ミリ」

 ミルカは剣を一瞥してそう言った。

 俺は手の中の剣を見た。さっきまでの光は消えているが、確かに普通の剣とは違うものを感じる。手に持つと、なぜか落ち着く感覚があった。

 俺はこの剣に名前をつけることにした。

 神乳剣。ディバインバストソード。

 AAAAカップの俺が手に入れた、唯一の武器だ。

「走るぞ」

 ミルカが言う。

「え、どうしたの?」

 すると老婆の「待てぇーーーー!」という声が、まだ遠くから響いていた。

 四人は息を切らしながら、北西へと走り続けた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ