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「すずめの戸締り」がいちばんすきです。

戦後85年の終戦特番を聞き流していると、ピンポン、とインターホンがなった。実家なら親に出てもらえば良いが、残念ながら一人暮らし。起き上がって玄関へと向かう。大方、通販で買った何かが届いたのだろう。何かは忘れたが。


ドアスコープを除くと人の姿はなく、廊下があるだけだった。置き配にでもなったのだろうか。一応念の為チェーンをかけてからドアを開けた。


ドアの隙間から廊下を覗くと、女の子が1人立っていた。おおよそ高校生ぐらいだろうか?


「部屋、間違えてますよ」


俺はそれだけ言って、ドアを閉めようとしたが、彼女がドアに足を挟むので閉めきれなかった。


「いいや? ここ部屋で間違えない」


隙間ごしに俺の顔を覗き込んで言う。私の後ろから射し込む日差しと、俺自身の影のせいで妙に妖艶にうつった。


「……勘弁してください」


頭に思い浮かべるのは、中学生に手を出して留置所送りになった幼馴染のこと。都合の良いボーイミーツガールはラノベと新海誠だけで十分間に合っている。俺は彼女がドアに挟んでいる足を思い切り蹴った。


女の子が呻き声をあげたので、罪悪感を抱きつつももう一蹴りして遂にドアを閉め切った。ドンドン、とドアを叩く音が聞こえるが無視だ。


「昨日未明、東京都大田区の住宅街で捻じ曲げられた女性の遺体が発見されました。警察は事件と事故の両方で調査を〜」


リビングに戻ってテレビをみると、うちの近所が映っている。このあたりは治安が悪いとはいうが、しかし大半は駅前の置き引きなんかだし、住宅街の方は案外治安が良かったりする。殺人なんてはじめて聞いた。


近所だしちょっと見に行ってみるかと腰を上げて、そういえばまだあの女の子がいるかもしれないと思って座り直した。それに、事件現場に野次馬なんてみっともないだろう。


「しかし、尾花さん、捻じ曲げられた遺体というのは……」


経済評論家の伊勢崎がキャスターに聞く。捻じ曲げられた遺体……雑巾を絞ったみたいになるのだろうか。そうすると、夕飯はミートソーススパゲティの予定だったから、やっぱり野次馬に行かないのは正解だった。しかし、そんなことが可能なのだろうか。


「それが、警察からそのような発表があっただけで、具体的なものは何もわかっておらず……車にでも轢かれたのかなとも思ったのですが、どうも違うようで。続報が入り次第お伝えします」


また、インターホンが鳴った。居留守で良いだろう。宅配業者には悪いが、あまりドアを開けたい気分ではない。


気分転換にキッチンに向かう。鍋に水を入れて、湯を沸かす。塩とパスタと、レトルトのソースを投入して、しばらく待つ。


さえ箸で麺がくっつかないように混ぜながらスマホを確認する。惰性でタイムラインを何回かスクロールした。おかしな四コマ漫画があったので、リツイートしておく。


近所で起こった殺人事件についても検索をかけてみたが、テレビ以上の情報は何もなかった。役に立たない。


茹であがった麺を湯切りして、雑に大皿に乗せる。レトルトのソースも乗せてやって、少し早いが、夕飯はこれで終いだ。


皿を持ってリビングのドアをあけると、ローテーブルとテレビの間に、あの女の子が胡座をかいている。思わず皿を落としてしまった。


「お邪魔させてもらっている。しかし、狭い部屋だな」


彼女はそういうと胡座をかいて、ローテーブルに頬杖をついた。

投稿の度にタイトル考えるの無理です。どうせ誰も読まないと思いますし、勘弁してください。

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