鮮血
用語解説
楓の里の手裏剣の投擲方法には2つあり、殺傷目的の投擲法を打つ。牽制や警告などの殺傷目的以外を投げるといいます。
願い虚しく尾行者達は裏路地に入った私の後をつけてきた。ただ5人いた気配は3人に減り、2人の気配は元の通りを高速で移動している。
これは好都合。
尾行者達は挟み撃ちにするつもりだったらしいが、それを見破った今なら各個撃破の標的に出来る。私は火薬玉の導火線に火口から火を移した。
この火薬玉は先日作ったばかりの、まわりに鉄片を仕込んだ榴弾仕様。普通なら投げた本人にも危険が及びかねない代物だが、生憎私は竜人忍。遠投すれば、なんの問題もない。
[竜投擲](使1残4+1)
竜力で強化された投擲力は、まだ離れてついて来ていた3人の近くまで火薬玉を運んだ。忍としての訓練の賜物でコントロールは問題ない。
重い破裂音。悲鳴があがった。
風で煙が晴れると1人は無言で倒れ込み沈黙している。鉄片の当たりどころが悪かったらしい。
残る2人も倒れ込み、うめき声をあげている。3人無力化に成功したので、これで尾行者の残りは2人。
「クソ!やりやがったな!」
片手剣を構えた男と短剣を構えた女が路地から走り出てきた。見たところやはり、食い詰め冒険者に見える。戦果を確認する為に後を向いていた私は振り向きざまに十字手裏剣を打った。
が、男の喉を狙ったはずの手裏剣は、すっぽ抜け隣の女の右腕の根元、鎖骨の下あたりに刺さった。武器鍛冶屋で作った重心のズレた十字手裏剣を投げてしまったからだ。
女は短い悲鳴をあげ短剣を取り落とす。そして不用意に手裏剣を引き抜いて捨てた。その為、赤黒い血が噴き出し積もっていた白い雪を紅く染める。
刺さった物を不用意に傷から抜くのは御法度。里の応急処置で習った。血管を傷つける恐れがあるし、出血も酷くなる。
[竜縮地](使1残3+1)
そんな女の様子を見て動きが一瞬止まった男の元に、[忍び鎌]を抜き私は迫った。男は反射的に剣を振るうが、かすりさえしない。
[忍び鎌]は見た目は民生品の農機具だが、良く見れば刃部分は両刃になっている。また偽装してあるが、刃と持ち手が一体化で鍛造してあるので強度も問題ない。
逆手に持った[忍び鎌]の外刃で、すれ違いざまに首を掻き斬ると、男は笛の様な悲鳴になってない悲鳴をあげて倒れた。
私は鎌を構えて、肩を押さえた女に向き直る。里で叩き込まれた状況分析によれば撃破1、大破3、中破が1人。元々正面からの戦いに向いてない忍の戦果としては充分だ。
「た、助けて!降伏するわ」
そう言いながら女は後退りする。顔色が悪く血はまだ止まっていない。多分太めの静脈を傷つけたのだろう。戦意は既にないが……。
と、
新たに複数の気配が接近しつつある。治安傭兵がくる可能性は低いから、恐らくシーフギルドのチンピラ達だろう。 寒いなか爆発音を聞いて確認に来たのだとすれば御苦労な事だ。
私は黙って踵返し足早に立ち去った。チンピラ達がハイエナの様に負傷した追手を始末してくれるだろう。食い詰め者でも身包みを剥げば酒代ぐらいにはなる。
空からば再び雪が舞い落ち始めていた。
終了時点の装備等
武器
忍び鎌×1
十字手裏剣×3
(新しく出来上がった物は注文通りの出来だった)
(出来の悪いのは回収出来なかった)
煙玉×2
火薬玉×2
(火薬も安くない)
(榴弾仕様は手間がかかる)
防具
なし
(寒いし街中では着てない)
所持金
金貨15枚、銀貨44枚、銅貨27枚、小銅貨数枚
(大地母神教団は金貨をポンとくれた)
私の黒歴史がまた1ページ。




