【第96話】御札工房、三人体制はフルスロットル!
腱鞘炎寸前のリサさんを救うべく「筆を持たない日」が設けられた翌日。
社務所に、新たな“助っ人”がやってきた――。
「すみませ〜ん! ここで御札作りをしているって聞いたんですけど」
暖簾の向こうから、ふわっと墨の香りをまとった女性が現れた。
「私、ユキと申します。字は…まあ、味があるとよく言われます」
試しにヒノキ札へ一文字。
――確かに、上手いというより、ほっとする味わいのある字。
「これ、いいじゃない!」クミコさんが即採用を宣言。
こうして、リサさん(神域オーラの書道家)・ルカちゃん(元気担当)に、
ユキさん(味のある字)が加わる三人体制がスタートした。
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机の上には墨と筆、そして山のようなヒノキ札。
「では、いきます!」
リサさんは迷いなく筆を走らせ、文字が光を帯びる。
ユキさんはゆっくりと、温かみのある字を置く。
ルカちゃんは――
「えっと…あ、墨が飛びました!」
「線が太くなっちゃった!」
その度に社務所の中は笑いに包まれる。
通りがかった参拝者たちが覗き込み、
「おお、選べるんですね。今日はこの元気な字にします」
「いや、こっちの厳かなのもいいなあ」
三者三様の御札が並び、まるで書道テーマパークのよう。
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夕方、机いっぱいに積まれた御札を前に、クミコさんが感心する。
「三人体制ってすごいわね」
「はいっ! まだ書けます!」ルカちゃんは墨だらけの笑顔。
「いや、そろそろ休もう…腱鞘炎三連発になるぞ」石さんは密かに心配していた。
こうして御札作りはリサ・ユキ・ルカの三本柱で絶好調に。
だが次回、とある“意外な工夫”が加わり、人気はさらに跳ね上がることになる――。




