第95話 リサさん、書きすぎ注意報!
御札作りが始まって数日。
リサさんの筆は、止まることを知らなかった——。
「はい、次!」「はい、次!」
社務所の机にヒノキ札が積み上がり、リサさんは無言で筆を走らせる。
その動きはもはや職人というより、書道界のシューティングゲーム。
クミコさん:「リサさん、休憩しなくて大丈夫ですか?」
リサさん:「……筆が止まったら感覚が狂うの」
(いや、命削る修行じゃないから!)石さん、心の中でツッコむ。
その日、境内は御札を求める参拝者で大行列。
「リサさんの字、まるで神様が降りてるみたい!」
「この墨の香りがまたいい!」
褒められるたびにリサさんはスピードアップ。
「神様! 降りっぱなしにしないで!?」クミコさん焦る。
夕方、山のような御札を前に、リサさんがついに肩を回した瞬間——
「……あれ? 手が、しびれる」
ピタリと止まる筆。
「腱鞘炎、寸前!?」
社務所が一気にざわつく。
緒方さんが湿布を持ち、ヒデさんはなぜか温かいおでんを差し出す。
「食べて温まれば治るよ」
(おでんで治る腱鞘炎って聞いたことない!)
結局その日は早めに終了し、
「リサさんは筆を持たない日」を作ることに。
石さんはホッと胸を撫で下ろしつつ、
(あぶねぇ…次は“踊りながら書く”とか言い出しそうだ…)と戦慄していた。
こうして御札作りは、やや安全運転に移行。
だが、このあと“予想外の助っ人”が現れ、制作はさらに加速する——。




