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第94話 石さん粉ブームの終焉と、新たなる札作り
全国を駆け巡った“石さん粉”ブーム。
だが、人気の陰で、とんでもない問題が浮上していた——。
「石さん粉、売り切れです!」
巫女クミコさんの声が響くたび、境内からため息が漏れる。
そんな中、ある参拝者がぽつり。
「これ、家の床にこぼしたら、猫が全部舐めちゃって…」
……さすがに健康面の不安が噴出し、保健所からも「食用じゃないですよね?」と問い合わせが来る始末。
「俺、石だぞ!? 食べ物じゃねぇ!」石さんも悲鳴をあげた。
結局、ブームはあっけなく終了。
石さん粉の代わりに、もっと“安全で形に残る”ものを作ろうという話になった。
「そうだ、お札だ!」
クミコさんの一言で、広場会議は即決。
日曜大工担当の緒方さんがヒノキの板を用意し、
板前ヒデさんがなぜか包丁で板を削って整形。
「いや、木削るのに出刃包丁はやめろ!?」
そして書道担当リサさんが墨をすり、見事な筆致で「石神守護」と書き上げる。
試作品を手にしたクミコさんは感動して、
「これなら舐められても安心ね」
「いや舐める前提やめろ!」石さん総ツッコミ。
こうして、“食べられないけど心に効く”新しいお札作りがスタート。
石さんは心の中で少しホッとしつつも、
(次はどんな方向に暴走するんだ…?)と早くも不安を抱えていた——。




