第85話 消えた石さんクッキー事件
広場カフェ「こもれび」で新メニュー第2弾、“石さんクッキー”が販売開始。
しかし開店直後、とんでもない事件が発生する——。
「おはようございます〜、今日は石さんクッキーの日ですよ!」
ミクさんがショーケースを開けた瞬間、固まった。
「あれ……ない!?」
そこに並んでいるはずのクッキーが、影も形もない。
「おいおい、まさか完売したんじゃ……まだ開店前だぞ?」と石さん。
クミコが耳を澄ますと、広場の片隅から「カリッ…カリッ…」という音が。
覗いてみると、鳩が石さんクッキーを器用についばんでいた。
「おまえらぁぁ!」
慌てて追い払うが、時すでに遅し。
半分以上のクッキーが鳩の胃袋へ消えていた。
「ど、どうしよう…予約も入ってるのに…」とミクさん。
緒方さんは腕を組み、「よし、急造で作るぞ!」と材料をかき集める。
ヒデさんは「形は俺が整える!」と包丁を握るが、なぜか寿司型に。
「いや、これ“石さん握り”になってるんだけど!?」
急ごしらえで作られたクッキーは、形も味もバラバラ。
しかし客は「これはこれで面白い!」と意外に好評。
中には「石さん握りクッキー」の写真をSNSに上げ、瞬く間に拡散された。
「石さん、今日の売上も好調です!」とミクさん。
「……いや、俺のイメージがどこに向かってるのか怖い」
クミコは笑って肩を叩いた。
「苔むすまで大丈夫ですよ」
鳩に食べられたはずの石さんクッキーが、まさかの握り型で大人気。
次回は“石さん握り”が正式メニューになるかどうかのドタバタ回です。




