第84話 謎メニュー「石さんラテ」
広場カフェ「こもれび」がオープンして数日——
店主ユキさんが、何やらとんでもない新メニューを発表するらしい。
「本日限定!新メニュー“石さんラテ”登場です!」
朝から広場に響くミクさんの声。
「……俺の名前、勝手に使ってないか?」と石さん。
クミコはすでにメニュー表を食い入るように見ている。
そのラテは、ふわふわのミルク泡にココアパウダーで石さんの顔(?)が描かれており、
さらに抹茶で“苔むすまで”の文字入り。
「うわ〜これ、絶対写真映えしますよ!」とクミコはスマホを構える。
「味は…普通に美味しいです!」と一口飲み、満足げ。
しかし問題はそこではなかった。
「ミクさん、この顔…俺、こんなに丸くないぞ」
「え?石さんって丸くて優しい感じじゃないですか?」
「いや、俺は……いやまあ、優しいけど」
そこへ緒方さんとヒデさんもやってきた。
「おー、“石さんラテ”だって?面白ぇ!」
ヒデさんは早速SNSに投稿。
「♯石さんラテ♯苔むすまで」タグが瞬く間に拡散し、
広場に人が押し寄せる事態に。
その中には観光客だけでなく、地元の子どもたちまで。
「石さん、これ飲むと願いが叶うってほんと?」
「そんな効果はない…いや、ないはず…」
気づけば本日の“石さんラテ”は昼過ぎに完売。
ミクさんは満面の笑みで、
「次は“石さんクッキー”作りますね!」
「……なんか俺、この街のマスコット化してないか?」
クミコはにっこり笑って答えた。
「今さらでしょ、苔むすまで!」
石さん、ついにスイーツデビュー。
次回は“石さんクッキー”誕生と、思わぬトラブルが待っています。




