表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

76/287

第76話 石さん、的中率でざわつく広場

おみくじ騒動から数日。

なぜか「石さんの言葉は当たる」という噂が街じゅうに広がり、本人(石?)の知らぬ間に信仰度が爆上がり中。

今日もまた、何やら妙な相談者がやってくるようです。

朝から広場がやけに賑やかだ。

いや、最近ずっと賑やかなんだけど、今日は輪をかけて人が集まっている。


「この間、石さんに“まあ晴れるんじゃない”って言われた日、ほんとに雨止んだのよ!」

「俺もだ!“まあ勝てるかも”って言われた試合、逆転勝利だった!」


……あのさ、あれ全部、適当に答えただけなんだけど。


石である俺・光星こうせいは、広場の中心でただ鎮座しているだけなのに、なぜか最近の“ご利益的中率”が妙に高いらしい。

偶然だよ偶然、と言いたいけど、ここで否定すると何故かみんながガッカリするので困っている。


「石さん!来月の商談、うまくいくでしょうか?」

おいおい、そんな大事なこと聞かれても……。

「……まあ、流れに乗れば、な」

と、適当に濁すと――

「ほら!石さんが言ったぞ!」と拍手と歓声。


その場にいたクミコさん(広場の巫女兼社務所担当)は、にこにこしながら俺の横で頷く。

「光星様は、言葉を選んでお告げをくださるんですよ」

いやいや、選んでるっていうか、口から勝手に出てるだけなんだけど!?


午後になると、さらに行列が伸びる。

中には、「宝くじの番号、ヒントください!」なんていう強者も。

「……数字は、好きに選べ」

と答えたら、「自由意思を尊重する深いお告げだ!」と本気で感心された。


夕方、ようやく静かになった広場で、クミコさんが茶をすすりながら言う。

「光星様、的中率、きっともう70%超えてますよ」

やめろ、数値化するな……。


それでも、どこか誇らしげに自分を見上げる人たちの顔は、ちょっとだけ悪くない気分だった。

信仰度は静かに、でも確実に上昇中。

ただし光星本人(石)は、当たる理由がまったくわかっていない――それがまた噂に拍車をかけるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ