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第66話 大晦日と石さんの年越し警備

一年の最後の日、大晦日。

境内は朝から慌ただしく、大掃除と年越し準備が進んでいる。

そして夜になれば除夜の鐘、そして初詣客が押し寄せる――

……らしいのだが、石さんにとっては今年も“座って見守る日”である。


朝、クミコが境内を箒で掃いていると、参道を掃除する子どもたちが石さんのまわりを念入りに磨きだした。

「ここ、写真スポットだからピカピカにしないと!」と、七五三以来すっかり人気者扱い。

石さんの周囲だけ、やけに光沢が出た。


昼には商店街の人たちが年越しそばを差し入れ。

「石さんも食べます?」

……いや、無理です。でも心は温まった(ような気がする)。


日が沈むと、いよいよ夜の部。

提灯が灯り、鐘の音が遠くから響く。参拝客は「良いお年を」と笑顔で通り過ぎ、時々石さんにも「来年も頼むぞ」と声をかけていく。


そして23時を過ぎると、いきなり列ができた。

「え、これ初詣待ちじゃないの?」とクミコが首をかしげると、違った。

どうやら「年越しの瞬間を石さんと迎える」ための列だったらしい。


カウントダウン開始――

「10、9、8…」

境内にいた全員が石さんの前で声を合わせ、0になった瞬間、拍手と「明けましておめでとう!」が響く。

なんと石さんの周囲だけ、初日の出前からお祝いモード全開だった。


夜明け前、クミコがそっと言う。

「石さん、今年も一年、お疲れさまでした」

……動いてないけど、なんだか誇らしい気分になる。


こうして石さんは、大晦日を“年越し警備”のように過ごしました。

次はいよいよ初詣回。

人混みとお願いごとで、さらに石さんがフル稼働(?)する予感です。


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