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第58話 おみくじ編・第2回 引いたら最後?おみくじ騒動再び

おみくじブームは止まらない!でも“凶”を引いた人にだけは止められない。今回は、石さんの無言の的中率に震える街の人たちのお話です。

境内の片隅に置かれた木箱――「おみくじ(仮設)」と墨書きされた札がぶら下がっている。

先日、街の若者たちが「石さんも占いっぽいのやってみたらどうだ?」と、勝手に設置したものだ。


朝からヒョイとやってきた魚屋の大石さんが一本引き抜く。

「お、今日の運勢は……“中吉(ただし足元注意)”か」

足元を見ると、まさに鯛の骨を踏みそうになっていて、慌ててよけた。

「うわっ、本当に当たった!」と感動して走り去る。


その様子を見ていた近所の主婦コンビ、マユミとサトミも興味津々。

「ちょっと試してみよっか」

マユミは“吉(家事の手抜きは夫にバレる)”を引き、サトミは“大吉(ただし隣人トラブル注意)”を引き当てた。

数分後、マユミ宅の裏口では鍋の焦げる匂い、サトミ宅の塀では隣家の猫と軽いにらみ合い――見事に的中している。


人々の間に「石さんのおみくじ、マジで当たる」という噂が急速に広まり、午後には列ができた。

だが、問題は夕方に起きた。

町のご隠居・ヤスアキが引いた結果が“凶(本日は転ぶ)”だったのだ。

「なんだこれは!縁起でもない!」と怒りながら帰ろうとした瞬間、つまずいて転び、腰を打つ。

周囲は凍りつき、当人は「こ、これ…恐ろしい石だ…」と震え上がった。


「……。」

石さんは何も言わない。ただ風がひゅうっと吹き抜け、夕焼けの光が石肌を赤く染めるだけ。

だが人々は勝手に想像を膨らませ、さらに恐れと畏敬が混じった空気が漂い始めた。


翌朝、誰かが木箱に張り紙をした。

『※おみくじの結果は自己責任で』

その下に、何者かの走り書きでこう付け足されていた。

『……でも、当たるんだよなぁ』


占いって、当たると怖いし、外れると残念……石さんの場合、当たると怖いの比率が高すぎるようです。さて、次回はさらに予想外の運勢が飛び出しますよ。


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