【第51話 とうとう露わに?勝手になったスペック】
石なのに、勝手にステータスが成長している──。
そんなRPGの主人公みたいな現象が、昨日ついにバレた。
…いや、バレたっていうか、見られたっていうか…勝手に広がってるっていうか。
「……なにこれ?」
朝、境内に立てられた紙に、クミコさんが眉をひそめた。
そこには大きくこう書かれている。
石:光星
・拝まれ度:+3 → +5(謎の急上昇)
・信仰レベル:B(停滞中)
・ご利益的中率:62% → 64%(微増)
・話題性:上昇中(SNSで拡散)
・願い履歴:142件 → 153件
・神格候補:※審査中(担当不明)
・祭事参加率:100%(ほっとかれ率も100%)
・風雨耐久度:MAX(コケ増量中)
・石圧(存在感):やや上昇
・謎オーラ指数:観測不能
「こんなの、いつ作ったのよ?」
「……知らん。ワシじゃない」
「石が“ワシじゃない”とか言うな」
どうやら昨晩、誰かが境内の掲示板に貼り付けていったらしい。
しかも文字はやけに達筆で、ところどころ金粉まで散っている。
明らかにただのイタズラじゃない。
そこへ、通りすがりの青年が指をさしながら笑った。
「おっ、この石さん、ついに神格候補か!やっぱり拝んどくべきだな!」
「いやいや、64%ってビミョーだな。宝くじ当たる確率よりは高いけどさ」
「てか“ほっとかれ率100%”って何!? 笑」
気づけば、数人がスマホで撮影し、#石さんスペック という謎ハッシュタグが爆誕。
夕方には、なぜか街のパン屋の前にこのステータスがポスター化されて貼られていた。
「……やっぱり、こういうのって勝手に変わるもんなのか?」
「いや、石さん、それ“勝手に”って言ったら全部許されるわけじゃないからね」
「ワシ、何もしておらんのになぁ…」
しかし、夜。
誰もいない境内で、石さんの表面がほのかに光り、数字がまたひとつ変わっていた。
ご利益的中率:65%
——明日、また騒ぎになる予感しかしない。
「勝手にスペックが更新される石」って冷静に考えると、かなりホラー寄りなんですが、
うちの石さんの場合は完全にコメディ枠です。
それにしても“ほっとかれ率100%”は、たぶん一生変わらない気がします。
次回は、この数字の変化をめぐってもっと大騒ぎになります。




