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第49話 石さんと夜の鈴の音

日が沈み、参道に静けさが戻る時間。

石さんの周りにだけ、チリン…と鈴の音が響いたら——あなたならどうしますか?

夜の神社は昼と違い、しんと冷えた空気が漂っていた。

見回りをしていた青年が、ふと耳を澄ます。


——チリン…


「……鈴の音?」


参道の先、石さんの足元から微かに響いてくる。

近づくと、小さな銀の鈴が置かれていた。


「こんな夜に誰が……」


拾い上げようとした瞬間——


「……触るな」


石さんの低い声が響き、青年は思わず手を引っ込める。

「ひぃっ!? な、なに!? 呪いの鈴ですか!?」


「違う。落とし物だ」


「……落とし物?」


青年が辺りを見回すと、社務所の影から小さな白い影が顔を出した。

……猫? いや、首に赤い紐で鈴を付けている。


「こいつのだ」


青年がゆっくりしゃがむと、白猫は恐る恐る近づき、鈴をくわえて石さんの横にちょこんと座った。

どうやら、夜になるとこの猫は石さんの足元で眠るらしい。


「仲良しなんですね」

「……まぁな。話し相手くらいにはなる」


青年は笑い、「それじゃ、おやすみ」と参道を後にした。

帰り際、また——チリン…。


風もないのに、鈴は優しく鳴っていた。

夜の神社は不思議がいっぱい。

でも、その不思議が“ちょっと可愛い”時もあるんです。


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