第43話 不思議生物編 第5回(完) モチモチ妖精と餅つき合戦
不思議生物編、いよいよ最終回。
今回は、もっちもちの妖精たちがやってきて、境内が一夜限りの餅まつりに!
…ただし、予想外の展開になるのは石さんワールドの常。
ある日、境内に「ペタン…ペタン…」と心地よい音が響いた。
音の方を見れば、小さな白い生き物たちが、体全体で杵を持ち、餅をついている。
「俺は石だぞ…ここは餅工場じゃないぞ…」
その名もモチモチ妖精。
年に一度の「モチの日」に、美味しい餅をつくため、土地の神さまに感謝を捧げるらしい。
(※今回はなぜか石さんの境内を選んだ)
「石さん! 今日のお餅は特別! 食べれば願いが叶うんだよ!」
「…俺は食えない」
「じゃあお客さんに配ろう!」
噂は瞬く間に広がり、夕方には参拝客で大行列。
「願い餅くださーい!」
「こっちは三つ!」
「俺ん家の犬にも!」
だが妖精たち、配る前に味見が止まらず――
「ぺたん…もぐもぐ…ぺたん…もぐもぐ…」
気づけば半分以上を自分たちで平らげていた。
「…残り、どうするんだ」
「大丈夫! 餅は心で膨らむんだ!」
そう言って残った餅を切り分けたが、もらった人々の手には、なぜか“おはぎサイズ”の小さな塊。
それでも食べた人たちは不思議と笑顔になり、
「なんか元気出た!」
「明日から頑張れる!」と、感謝の声があがった。
夜になると、妖精たちはぺこりとお辞儀。
「また来年、もっとたくさん作るね!」
「……来年はちゃんと配れ」
そうつぶやく石さんの横に、なぜか置き土産の杵と臼が残されていた。
不思議生物編の締めは、モチモチ妖精の登場でした。
結局半分以上食べちゃったけど、みんな笑顔になったので結果オーライ。
次回からは、いつものほのぼの日常に戻ります。




