第40話「不思議生物編・第2回 突発!猫神祭り」
今日はいつもの静かな参拝日…のはずだった。
だが、朝から妙な毛玉が境内をウロチョロしている。
嫌な予感しかしない石さんの前に、次々と猫が集まってきて──?
朝、境内の隅で「ニャー」と一声。
最初は一匹だった。
「まあ、たまには猫が休憩するのも悪くないか…」
石さんはそう思っていた。が、甘かった。
二匹、三匹…十匹…気づけば境内は毛玉の海。
茶トラ、黒、三毛、白黒ハチワレ。
おまけにやけに威厳のあるデカ猫まで、どっしりと磐座の前に鎮座した。
「おいおい…これは猫神祭でも始まるのか?」
石さんがぼやくと、デカ猫が「ニャッ」と一鳴き。
すると一斉に猫たちが磐座のまわりをぐるぐる回りだした。
尻尾がふわふわと揺れ、毛並みが陽光を反射してキラキラ光る。
見ていた近所の子どもが叫ぶ。
「猫さまが石さんをおまつりしてるー!」
その声で大人たちも集まり、即席の“猫祭り”が始まってしまった。
魚屋が干物を奉納し、花屋はカスミソウを猫の首に飾る。
お婆さんは勝手に鈴をつけ、「これで厄除けになる」と満足げだ。
石さんは内心(いや、完全に俺より猫が主役だろこれ)と苦笑。
だが、デカ猫が最後に磐座にスリスリしてから、
まるで合図のように全員が一斉に解散した。
残されたのは、ぽかんと見守る参拝客と、
磐座の周りにうず高く積もった猫の毛。
風が吹き、毛がふわりと宙を舞う。
「…まあ、平和ならいいか」
石さんはため息まじりにつぶやいた。
というわけで、今日は突然の猫祭りでした。
石さんの立場が猫に取って代わられそうな勢いでしたが、
本人(?)はわりと楽しんでいたようです。
明日は誰が来るやら…不思議生物編、まだまだ続きます!




