【第34話】 石さんお仕事依頼編第1回〜商売繁盛は石まかせ〜》
恋愛相談から足を洗った(?)石さん。
しかし静かな日々は長くは続かない。
今回は——魚屋のオヤジから商売繁盛のお願い。
朝の広場に、ドタドタと魚屋のオヤジが登場。
片手に桶、もう片手に勝手な期待。
「石さん! アンタの力で客を呼んでくれ!」
……石さんは、いつも通りただそこに鎮座。もちろん無言。
オヤジは石さんの前に魚の桶をドンと置き、
「ほら、これを“ご神魚”ってことにしてよ!」と勝手に幟まで立てた。
数分後、通りすがりの人が立ち止まり、
「え、この魚……石さんが選んだの? 縁起よさそう!」
と、なぜか買っていく。
気を良くしたオヤジ、石さんの頭上に「商売繁盛」の札をくくりつける。
さらに魚に金粉をふりかけ「これぞ金運アップフィッシュ!」と命名。
あっという間に行列ができる。
石さんは変わらず無表情だが、周囲は勝手に盛り上がっていく。
夕方、売り切れた魚の桶を片付けながら、オヤジが感謝のお賽銭をチャリーン。
その瞬間——頭上の札が風で外れ、桶の水にポチャン。
札に描かれた墨字がにじんで「商売半減」に見える。
オヤジ:「……や、やめろ縁起でもねぇ!」
次の日から魚屋の看板商品は「半減フィッシュ」になった。
なぜか売上は倍になったらしい。
石さん、今回もただ座っていただけ。
それでも売上アップ、そして謎の商品名誕生。
もはや石さんの存在そのものが都市伝説。




