【第33話】 《石さん恋愛相談室・最終回〜恋愛守り、授かります〜》
数えきれない恋愛相談を受けてきた石さん。
ついに、恋愛編ラスト。
今日はどんな相談が舞い込むのか——そして石さんの“秘密”が明らかになる。
午前、石さんの前に現れたのは、常連の女性。
「石さん……片想い、そろそろ諦めようかなって」
(おっと、最終回にして重いな)
午後には、初めて見る青年が登場。
「石さん、告白したいけど怖いんです」
(ほぉ……これは応援せねば)
夕方。
二人は偶然同じ時間に境内へ。
「あれ……お互い知り合い?」
「え? あ……」
どうやら同じ職場らしい。
……そして、互いがずっと想っていた相手だと発覚。
空気が甘〜くなり始めた瞬間、石さんの体がじわっと光った。
すると、足元の苔の間から、小さな紅い袋がぽとり。
そこには“恋愛守り”と書かれていた。
「えっ……石さんからの……?」
二人は袋をそっと開ける。中には小石が二つ。
形は違うが、不思議とぴたりと重なり合う。
女性:「……これ、私たちみたい」
男性:「うん、離すのもったいないね」
石さん(やっと渡せた……)と心の中でひと息。
だが次の瞬間、袋の底からもう一つ小石が出てきて——
「……あれ? 三つ目?」
石さん(あっ、それ予備用……!)
二人は笑い合い、そのまま連れ立って帰って行った。
——境内に、石さんの心のツッコミだけが響く。
(最後までカッコつかねぇな、俺)
こうして恋愛相談室は一旦幕を閉じた。
数々の失敗と奇跡を経て、石さんは悟る——
「恋愛って、予備の小石くらい予想外があったほうが面白い」と。




