【第28話】 《石さん恋愛相談室・第5回〜三角関係(仮)〜》
恋愛相談の中でも、ややこしいのが三角関係の話。
でも今日の相談者は、ややこしいどころか……もう自分で絡まった毛糸玉みたいな状態だった。
広場に現れたのは、額に汗をにじませた女性。
いきなり深呼吸をして——
「石さん!私、恋人が友達と浮気してるかもしれません!」
(おっと、今日は修羅場案件か)
「昨日、市場で二人が並んで歩いてたんです!笑いながら!」
(……市場で?)
「しかも同じ方向に消えていったんです!」
(……買い物では?)
とにかく詳細を聞くと、彼女の恋人と友達は、確かに仲良さげに会話していたらしい。
その姿がどうしても頭から離れず、一晩中眠れなかったとのこと。
「で、その友達に聞いたのか?」
「……怖くて聞けませんでした!」
「じゃあ恋人には?」
「……同じく!」
(おい……!全部心の中で完結してるじゃないか)
とりあえず「本人たちに直接聞いてみなさい」と助言した。
——数日後。
再びやってきた彼女は、顔を真っ赤にしていた。
「石さん……二人、市場で私の誕生日プレゼント選んでただけでした……」
(……ほら見ろ)
「しかも……あの日の夜にサプライズで渡されました」
(最高の彼氏と友達じゃないか)
「……でもやっぱりヤキモチは妬いちゃいますね」
「それは普通だ。だが次は疑う前に深呼吸な?」
彼女は最後に「来月の記念日もサプライズっぽい」と、なぜかニヤニヤして去っていった。
……このままだと、また勝手に三角関係が発生しそうな予感がする。
恋の不安は、時に想像力を爆発させる。
ただし、爆発のほとんどは空振りだ。
……まぁ、石としては笑い話で終わるのが一番だが、次に来る時はプレゼントの報告を期待している。




