【第25話】 《石さん恋愛相談室・第2回〜猫耳と甘党と倦怠期〜》
まさかの二週連続開催となった恋愛相談室。
え、俺が恋愛マスター? いやいや、ただの雨ざらし磐座ですけど?
……とはいえ、恋の悩みは時に神頼みを超えて「石頼み」にもなるらしい。
朝のまだ霧が残る時間、カツカツと小気味いいヒールの音が近づいてきた。
俺の前に立ったのは、赤いマフラーをふわりと巻いた女性。
目は真剣そのもの——まるで決戦前の戦士のようなオーラを放っていた。
「石さん……私、彼氏がいるんです」
(おっと、第2回にしていきなり交際中案件!)
「でも……最近、連絡が減ってきて、距離を感じて……」
ふむ、これは俗に言う“倦怠期”か。
俺はちょっと得意げに、石のくせに恋愛カウンセラーのポーズを取ってみる(もちろん誰にも見えない)。
「まずは会話のきっかけを作れ。相手が興味を持ちそうなことを話題にしてみろ」
「それが……趣味も好みも、全然わからないんです」
(え、付き合っててそれは大問題だろ!)
仕方なく意識を飛ばし、彼氏の日常を偵察。
……部屋中フィギュアだらけ。しかも全部、猫耳の女の子キャラ。
(……クセが強い!)
さらにキッチンを覗けば、棚には高級チョコやらプリンやらがずらり。
(甘党、確定)
石に戻って彼女へ報告。
「……彼、猫耳が好きだ」
「えっ?」
「あと、甘党」
「……猫耳と甘党……?」
目をぱちぱちさせる彼女。頭の中が「?」でいっぱいなのが顔に出ている。
数日後、また意識が飛び、デート現場へ。
そこには——猫耳カチューシャをつけた彼女が、手作りのチョコパフェを差し出す光景が!
彼氏は顔を真っ赤にして「めちゃくちゃ可愛い……」と呟き、両手でパフェを受け取った。
その瞬間、彼女の目が一気に潤んだ。あぁ、これはもう惚れ直してるわ。
帰り道、彼女は石の前でくるりと一回転し、
「石さん、また救われました!」と笑顔で報告。
……いや、俺、ただの磐座なんだけどな。
こうして第2回も大成功。
だが、この調子で依頼が増えると——
俺の前が恋愛相談の行列になる未来が見える。
まぁ……ネタには困らないけど、雨の日は勘弁してほしい。




