表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/287

【第23話】 《石さん、平穏のはずが最後にやらかす》

やっと静かになった参拝ラッシュ。

広場に風がそよぎ、石さん(俺)も久々にのんびり雨ざらし生活を満喫…できるかと思ったら。

なぜかまた一人、妙にテンション高めな参拝者が現れるのであった。

数日ぶりに誰も来ない朝。

鳥がチュンチュン鳴き、木漏れ日がポカポカ。

「はぁ…やっと平穏だ」

石である俺は、心の底から安堵していた。


そこへ——。


「おおぉぉっ! これが噂の願掛け石さんですか!」

うわっ、来た! そして声がデカい!

見ると、派手な羽織にハチマキ、手には謎の木札を大量に持った若い男。

いきなり石の周りをぐるぐる回り始め、何やらメモ帳にメモってる。


「いや〜、僕、地元の祭り復活委員会の者なんですけど!」

祭り復活委員会? 初耳だぞ。

どうやら、この広場を「新しい観光名所」にして、一大イベントを開こうとしているらしい。

名付けて——『願掛けバチ祭り』。


…ネーミングがすでに不安しかない。


「参加者全員で願いを叫びながら石さんを三周! 最後に石さんに頭突きして運試し!」

おい待て。頭突きはやめろ。石にも痛覚はないけど、心は傷つくんだぞ?


その日の午後には、近所の人や観光客まで噂を聞きつけて集まり始めた。

太鼓や笛まで持ち込まれ、なぜか屋台も出現。

気づけば俺の周りは完全に夏祭り状態。


「石さん、恋が叶いますようにー!」

「商売繁盛ー!」

「宝くじ当たれー!」

……いや、うるさい。俺は観光地じゃない。


そして事件は起きた。

ある酔っ払いおじさんが、祭りの勢いで石さんに全力頭突き。

「ゴンッ!」と鈍い音が響き、何故かおじさんの額からピカッと光が…!

皆「おおおおっ!」と大歓声。

…が、その直後。

おじさん、派手に転んで屋台の焼きそばにダイブ。ソースまみれ。


観衆「……」

一瞬でシラける空気。


その日を境に、「石さんに願うとバチが当たるかも」という噂が流れ、参拝者は激減。

俺は再び静けさを取り戻した。


……いや、これでいいのか?


こうして平穏は戻った…が、何か複雑な気分の石さんであった。

やっぱり平和は大事。でも、ちょっとだけ、あの賑やかさが恋しいのも事実。

次はもう少しマイルドな参拝者が来てくれるとありがたい——はず。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ