第17話 神?いや石さん、観光地化で大混乱
「バチ祭り」が予想以上に盛り上がった結果、
地元だけでなく、外からも人が押し寄せるようになった。
──が、それは予想もしない大混乱の始まりだった。
バチ祭りから数日後。
俺の前の広場は、いつもよりやけに騒がしい。
聞き慣れない方言、派手な服、カメラを構えた観光客。
「これが噂の“バチ石”か!」
「SNSで見た!あの石、バチを与えてくれるんだって!」
いや、ちょっと待て。与えるのはバチじゃなくて助言だからな?
屋台まで復活しているし、どこからか軽トラで搬入された“石さんグッズ”が並んでいる。
Tシャツ、キーホルダー、クッションまで……俺の顔(?)プリントって需要あるのか?
しかも観光客が勝手に「バチチャレンジ」をアレンジしている。
「石さんの前で三回転ジャンプ!」
「石さんにお願いしながら唐辛子一気食い!」
「石さんと自撮りしながら逆立ち!」
……何この高難度ミッション。
しかも失敗すると「バチ当たったー!」と大喜びしている。
お前ら笑ってるけど、俺は内心ヒヤヒヤだぞ?
そのうち順番待ちの列ができ、地元民が押し出されて後ろの方に追いやられている。
「昔から見守ってくれてた石さんが、なんだか遠くなっちゃったねぇ」
常連のおばあさんがぽつりとつぶやいた。
……それ、地味に刺さるからやめて。
夕方、片付けを終えた若者たちが俺の前で反省会。
「ちょっと人呼びすぎたな」
「地元の人が来づらくなってるかも」
「来年は地元優先デー作ろうぜ」
おお、それは賛成だ。
俺は石だから何も言えないけど、心の中で全力で頷いていた。
こうして、観光客大歓迎ムードから一転、
“地元の石さん”を守る会議が静かに始まったのであった。
バチ祭りが予想外のバズを呼び、観光客が押し寄せる展開に。
笑いと混乱が入り混じる一日だったが、地元民との距離感を守るための対策も始まった。
次回は、この“地元優先デー”で起こる、
思わぬドタバタとほっこり事件をお届けします。




