13話 神?いや石さん、バチが当たったと思われる
参拝者が増えすぎて、少し静かに過ごしたいと思っていた俺(石)。
そこで商人に控えめな助言をしたら……翌日、偶然の大雨でその商人に被害が発生。
なぜか「石さんにバチを当てられた」という噂が広まってしまい……?
ここ最近の俺は「公正な神様」扱いで、参拝の列が途切れない。
……が、正直ちょっと困っている。
人が多すぎて、近所の常連さんが「また今度にするよ」と帰ってしまう日も増えてきた。
少し静かに過ごしたいなぁ……と考えていた矢先。
その日、先頭に並んでいたのは立派な髭の商人。
新商品が売れるようにお願いに来たらしい。
(ここは……あえて控えめなご利益で、参拝熱をクールダウンさせるか)
念話モード、オン。
「その商品、売れるだろうが、使い方を間違えると危ないぞ」
俺としては忠告のつもりだった。
だが翌日──
「石さん! バチが当たったよ!」
髭の商人が青ざめた顔で走ってきた。
聞けば、昨日の夜、大雨で店先が冠水し、新商品が全部びしょ濡れ。
さらに看板まで倒れて、お客も来なかったという。
……いや、それただの天気のせいだろ。
だが商人は完全に勘違いしていた。
「石さんに“危ない”と言われたから、ご利益が試されたんだ」とか何とか。
その噂はすぐに列の後ろまで広がり──
「石さん、怒るとバチが当たるらしい」
「こわ……今日はやめとこ」
結果、夕方には参拝者が半分以下に減っていた。
信仰心ダウンを石肌でひしひしと感じる俺。
……まあ、静かになったのは嬉しいけど。
そんな中、常連のおばあさんがやってきて、手を合わせて笑った。
「石さん、バチなんか当てるわけないもんねぇ」
……ああ、その一言だけで救われるわ。
でも世間的には、当てたことになってるんだよな。
信仰度は下がったけど、噂話ってのは本当に早いもんだ。
明日はまた別の意味で、列ができるかもしれない。
天気のせいを全部俺のせいにされ、「バチを当てる石」という不名誉な称号が追加。
信仰度は下がったけど、常連のおばあさんだけは信じてくれているのが救い。
とはいえ噂というものは妙なもので……
次回は、この“怖い石”の評判が逆に人を呼び寄せる騒動に発展する予定です。




