第110話 静けさ、戻った…と思ったら
花火大会、盆踊り、子供神輿——境内を賑わせたイベントがひと段落。
今日からは、いつもの日常が戻ってくる…はずだった。
朝の境内。
石さん(御神体)は、爽やかな秋風に包まれて心地よく日光浴中。
「ふぅ〜、やっと静かになったな」
隣で落ち葉を掃いているクミコさんが笑う。
「にぎやかも楽しかったけど、やっぱり普段の方が落ち着くわよね」
リサさんも筆を置いて一息。
「これで手首の腱も休まるわ…」
(いや、御札量産ペースは日常でもおかしかったから!)石さん心の中で突っ込む。
そこへルカちゃんが境内に飛び込んでくる。
「石さーん!今日から日常モードですよね?だからほら、これ!」
手には謎の縄跳び。
「なんで縄跳び?」
「健康第一です!」
さらにユキさんがひょっこり顔を出す。
「味のある字を書く練習に付き合ってくれる?」
石さん:「いや俺、筆持てないし…」
「いいの、雰囲気を感じてもらえれば」
(雰囲気だけで筆力は上がらんだろ…)
そんなやりとりをしていると、カフェのミクさんがコーヒーを差し入れ。
「イベント疲れにカフェイン補給〜」
石さん:「ありがたいけど、御神体にカフェって効くのか?」
神楽担当の南さんも現れ、笛を吹きながら歩く。
「日常に戻るって言っても、音楽は欠かせませんよ」
気づけば境内は、いつものように人も笑い声も絶えない空間になっていた。
「なんか…静けさって、戻らないんだな」
石さんがぼそっと呟くと、全員がにやり。
全員:「苔のむすまで!」
こうしてイベントの余韻を抱えつつ、境内は“いつも通りの賑やかな日常”へ。
でもこの先も、何かしら起こるのは間違いない——。




