第107話 盆踊り、カフェと神楽が乱入するとこうなる
境内の拡張も終わり、いよいよ夏祭り本番。
今年の目玉は——初開催の盆踊り。
しかし、そこに境内カフェのミクさんと、神楽担当の南さんが絡むと…予想外の事態に!?
「石さーん! 盆踊り、私も参加しますよっ!」
カフェの前から全力で手を振るミクさん。
(いや、店はどうした?)と石さんが心の中でツッコむ間もなく、彼女はエプロン姿でやぐらへ駆け上がった。
一方、南さんは神楽衣装のまま登場。
「盆踊りの動き、もっとキレを出しましょう! 神楽の型を応用すれば…」
「え、ちょ、南さん!? それもう武術じゃない!?」
周囲の踊り手が次々と足をもつれさせ、やぐらの上は早くもカオス。
「お客さーん! 夏限定スイカスムージーどうですかー!」
…と思ったら、ミクさんは踊りながらスムージーを振る。
しかも振りすぎて中身が泡立ち、
「…これ、スムージーフォームになってますけど」
「泡立ちも夏っぽいじゃないですか!」と満面の笑み。
踊りは進むが、南さんの「回転三連ステップ」や「腰落とし神楽ターン」が混ざり、完全に伝統舞踊の域を逸脱。
客席の子どもたちは爆笑し、大人たちはスマホで撮影、ネットに上がるのは時間の問題だ。
「石さんも踊りません?」
「俺は御神体だから動けねぇ!」
「じゃあ御神体盆踊りポーズで!」
なぜかルカちゃんに胴体を飾られ、石さんの周りを子どもたちがぐるぐる回り始める。
(これもう盆踊りっていうより…御神体参拝マラソンだな)
やぐらの上では、ミクさんが突然マイクを持ち、
「次はカフェ新作、冷やし抹茶ラテ盆踊り〜!」と勝手に新しい踊りを発表。
南さんも負けじと太鼓を全力で叩き、「盆踊り神楽Remix」が爆誕した。
気づけば観客全員が笑いながら踊り、スイカスムージーを片手に盆踊り…いや、何か別のフェスに変わっていた。
こうして初の盆踊りは、カフェと神楽の乱入で“伝統的カオス”として大成功(?)を収めた。
——苔のむすまで。




