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Exhaust  作者: あると
Chapter.1 白翔馬の覚醒編
5/40

1-5 名古屋最速のチューナー軍団

あばるとです。

峠でツーリングするのって楽しいみたいで、

僕も早く車が欲しいと思う今日この頃。

乗りたい車はロスタとか?

土曜日の夜22時、桜井は2000GTをいじっていた。(これといって、やる事ないな……。暇だし、少しツーリングにでも出よう。)


そう思い立った桜井は、早速デスクに置いてあったペットボトルの水を取り、車に乗った。


(思い立ったなら行くしかないもんな。)桜井は車のエンジンをかけ、早速峠にツーリングに出た。桜井はツーリングに行く途中にHIGH-CITYの前を通る。


店内で高市はいつものようにレジで客を待っていた。桜井が店の前を横切っていった。


「ツーリングか。コーヒーだけ買ってきてもらうか。」高市は退屈そうにしていた。高市はカウンターに置いてあった写真を見る。「……。」


写真を眺めていると、店に数人のグループがやってきた。「ん、いらっしゃい。」そのグループのリーダーであろう女は、高市のいるレジに向かった。


そして、高市に聞いた。「いきなりで申し訳ないんですけど、巷で噂になっている白い2000GTについて、何か知ってることがあれば教えて欲しくって。」


高市は少し考えた後、話した。「さっきツーリングに行ったって事しか知らないな。どこに向かったかもわからない。つい2分前に、こっから右に向かって横切っていった。峠の方だろう。知ってることはそれだけだ。」


女はその言葉を聞いた時、ある事を感づいた。その後、それを隠すように感謝を伝えた。「ありがとうございます。あ、ついでにオイル交換だけでもお願いします。質問だけってのもあれですし。」


高市はレジから立ち上がり、ガレージに向かった。「君たちの車、ガレージに持ってきてくれ。」グループは店の前に置いてあった車を取りに行った。


そして、そのグループの車は赤いS15を先頭にガレージに入っていく。車のフロントウィンドウには、いずれもSK-AutoTecと書かれたステッカーが貼られていた。


(SK-AutoTec…聞いたことがあるな。)赤いS15の女が降りると、他の仲間もどんどん車から降りてきた。「今の走り屋は、どいつもこいつも本気なんだな。じゃ、さっさと始めようか。仕事が増える事は嬉しいしな。」






その頃、桜井は峠を流していた。


(気分転換で来たけど、あんまり気分も晴れないな…。少し飛ばすか。)桜井はギアをあげ、車を加速させる。400馬力にも及ぶパワーにチューンされた2000GTは、閑静な峠にエンジン音を響かせる。


すると、後ろから1台の黄色い車が走ってきた。(後ろから何か来ている…ライトの光が強い…なんだ?)黄色い車がどんどん2000GTに迫ってきている。


(こんな狭い道、あんな速度でよく走れるもんだ。)桜井は逃げの態勢に入る。後ろから迫っている車のライトが少し暗くなった。


2000GTのサイドミラーには黄色いFD3Sの姿があった。そして、そのフロントウィンドウには、SK-AutoTecのマークが付いていた。


(桜井悠人、ダウンヒルバトルがしたいのかな……今はバトルしたいわけじゃないって事か?どちらにせよ、登りきるしかないか。)


桜井はFDのドライバーが出している、高いプレッシャーに冷や汗を流す。(あのFDのドライバー、抜こうとしないのはわかっている。なのにすごいプレッシャーを感じる。何者なんだ?どうにしても、一度登り切ってからじゃないと。)


2台の車は静かな峠道を駆け抜けていく。


そして、いつか山の頂上に到達した。桜井は車から降り、休憩をしに歩いて行った。


FDのドライバーも車から降り、桜井のもとに向かった。そして、FDのドライバーは桜井に声をかけた。


「さっきはゴメンね。後ろ付け回しちゃって。ついて行きたくなっちゃって、つい…。」


桜井はFDのドライバーに聞いた。「……あなた、もしかしてさっきのFDの人?」


FDのドライバーは答えた。「ピンポン!俺は五十嵐壮也(いがらしそうや)。SK-AutoTecって言うガレージでドライバーやってる。」

五十嵐は桜井に握手を求め、手を出す。


「よろしく……でいいんですかね。僕は桜井悠人です。一人で走ってます。」


桜井は、その要求にこたえるように握手をした。それを見ていた五十嵐の熱狂的なファン達は、桜井と握手をしたその姿に心を打たれた。


「キャー!!五十嵐様握手するときも素敵ー!!」「今日もかっこいいよ~!!」桜井はポカンとした表情で五十嵐を見る。


五十嵐は、そんなファンの女子たちにファンサービスとして投げキッスをした。ファンの女子たちは、ついに地面に倒れてしまった。桜井は、そんな姿を気にせず質問した。


「SK-AutoTecって、もしかしてファンが現れるくらい大きいチームなんですか?」五十嵐は、桜井の質問に答えた。「まぁ、大きいかな。リーダーが1人で大きくしたみたいでさ。


2人は少し大きく息をついた。その後、桜井は五十嵐のFDの方に向かう。「五十嵐さんのFD、少し見せて見せてもらえませんか?」「もちろん。というか、この車で走ったっていいけど。」


桜井は五十嵐の提案を少し考えたが、申し訳なさそうに断る。


桜井は五十嵐からFDの鍵をもらい、ドアを開ける。「見るだけでいいんです。天下のSK-AutoTec様の峠用ワークスカーはどんなチューンなのかを見たいだけなので。」


桜井はFDのボンネットを開ける。ボンネットの下には、金のかかっているであろうチューニングが、13Bロータリーエンジンに施されていた。


「これは……ポート研磨にECUの調整もしてて、ターボもブースト1.2キロに圧力を上げてる…420は確実に出せる。こんなもの、よく作れましたね。」


五十嵐は自慢気に答えた。「フフン、この五十嵐様にかかればこんな物、朝飯前──」


だが、桜井はあることに気づく。「あ、でもこのポートの傷…何かで引っ掻いたような傷だな。ネジかなんかでやりました?」


五十嵐は桜井の発言に驚いた。「え!?どこどこ!?あ、ホントだ……。」五十嵐の顔は青ざめていた。「これは……またリーダーに叱られる……説教30分コースかな……。」


五十嵐は、完全にしょんぼりしていた。「ま、この程度なら走りに支障は出ませんし、大丈夫でしょう。」


桜井はあることを思い出したかのように、五十嵐に提案した。「あ、そうだ。今からまたココ下るんですけど、バトルでもします?走り出そうにパッシングしてきたじゃないですか。せっかくの出会いですし、やりましょうよ。」


五十嵐はスマホを手に取り、誰かに連絡した。「ごめん、いいはいいんだけどちょっと待ってね~。」数十秒後、五十嵐のスマホに通知が来た。


「……よし、待たせてごめん。やろうか!」


2人はそれぞれの車に乗る。それぞれの車からは、轟音ともとれるそどの大きなエンジン音が発生している。


「ゴールは料金所跡でいいんですよね?」「もちろん!でも、スタートする人がいないや。どうする?」


そんな会話を交えていると、五十嵐のファンが並んでいる2台の間に来た。「じゃあ、私スタートしたーい!」


五十嵐は言った。「ごめん、ありがとう!じゃあ10秒カウントでお願い!」五十嵐のファンはその要望に応え、スタートの合図をし始める。


「10…9…8…7…」桜井は言った。「SK-AutoTecのドライバーがどれだけの物か、見せてくださいね!」スタートシグナルは5秒を切った。「4…3…2…1…」


「うん。君こそ、僕を楽しませてほしいね。」そして、「GO!!」レースの火ぶたが切られた。


合図が鳴る瞬間、それぞれの車はものすごい加速で五十嵐のファンの真横をすり抜けていく。


(後ろから見た時、2000GTはコーナー特化型のマシンだって分かった。この峠は緩いS字の後にロングストレートが来る。そのあとは少しタイトなコーナーが続く。その前に仕留めておく!)


そう考えた五十嵐は、すぐに桜井の前に出る。そしてその考えは、桜井にとっては驚きの物だった。


「いきなり!?」桜井は少し焦るもすぐに集中し、冷静に対処する姿勢に入る。


(少し考えてた走りが狂ったけど、前に来られたのならスリップを使うまで。最後のヘアピンで前に出る。それまでは張り付く!)桜井はFDの真後ろに着いた。


(離れない……スリップの使い方が上手いな。このFDは437馬力……2000GTがノーマルじゃないとしても、スリップだけで420馬力に張り付けるのか?)


桜井は粘る。そして、遂にストレート区間に入る。「桜井くん…残念だけど、ここで離させてもらう!僕は、いつでも本気で行きたい!」五十嵐のFDは、桜井の2000GTを離していく。

(……やっぱり離れるな、パワーの差がすごい。スリップが利かない距離まで離す気だろうな……だけど、俺には秘策がある!)

五十嵐のFDの詳細。

BORDER製フロントバンパーにOriginLabのカーボンボンネット、APRのGTウイングを装着しているイカつい仕様です。僕がこんな車乗るってなったら、少し恥ずかしい気がします。FDは好きです。

以上、あばるとでした。

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