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Exhaust  作者: あると
Chapter.3 カーボンランナー編
49/53

3-13 どんでん返し

あるとです。

今回はExhaust本編のお話です。

基本は1週間に1度という制約を勝手にかけてますが、

自分がマイペースなのも相まって、

投稿が遅れることもあります。

キツく言えばサボりですので、

その時はごめんなさい。

桜井は、R129型メルセデスベンツ SL500を駆る、現在8位の寺岡大(てらおか だい)に目をつける。


前を走る寺岡のSLは、V8サウンドを轟かせながらコーナーをきり抜けていく。寺岡は、ちょうど彼の前を走る、7位の大塚を狙って走っていた。


(野郎、絶対逃さねぇぜ大塚ァ!)大塚は寺岡と激しい攻防戦を繰り広げていた。(ドイツ野郎が、イタリアのピュアスポーツに勝てるわけないんだよ!)


(500SLか……音的に、ボルトオンのスーパーチャージャーかな。中々粋なカスタムしてるやつだ。ま、関係ないけど!)


桜井は距離が縮むとすぐさま寺岡にアタック、攻撃の態勢へ入る。(チッ、後ろか……もう追いついてきたのかよ!)


それに気づいた寺岡は、アタックを分かっていたことのようにブロックする。(……前には出さしゃしねぇぜ!)


(だろうな……そこでブロックするだろうと分かってた!)その瞬間、左曲がりのコーナーへと入る。


アウトのラインを攻めていた桜井は、一瞬で姿を消す。(消えた……アイツ、一体どこに!?)


ミラーを見渡したその瞬間、インサイドに2000GTが並んでいた。一瞬の隙に、桜井はアウトからインへと動いていたのだ。


(どうなってんだよ、こんの……クソったれがッ!」寺岡は悔しい思いがつい口に出ながらも、サイドバイサイドのままコーナーを抜ける。


(いくらコーナーが速いからって、ストレートに出ちまえばノーチャンスだ。ここならイカサマも効くまい!)


寺岡の思惑通り、2000GTはセッティングの都合上ストレートに弱く、どんどん離されそうになっていく。


(チッ……だけど、次は連続してS字!そこまでどうにか離されるんじゃねぇぞ、俺!ド根性見せてやれッ!)


桜井は歯を食いしばり、アクセルベタ踏みでコーナーへと向かう。寺岡も、彼をストレートを走っている内に離しておこうとアクセルベタ踏み。


両者パワーを最大限に引き出し、S字へ突入する。大塚はこのドッグファイトによる、2台の軽い速度低下に便乗して、自分だけ先へ先へと逃げていった。


寺岡は桜井とのバトルで熱くなっていた事で、大塚が逃げ切りを狙おうとしているのを考えていられなかった。


(もう大塚はあとでいい……今はコイツを黙らせる!)2000GTのノーズが、SL500のリアバンパーに擦れる。


(何とか、前に出てさえしまえば!)S字の切り返し。SL500がブレーキランプが点灯したと同時に、桜井もブレーキを踏む。


コンマ0.3秒という驚異の反射神経で、寺岡を追い込んでいく。(流石だ……が、ちと分かってねぇんじゃねーのか?


前に出るために距離を詰めた結果、むしろその差が広がってしまうとは、到底思いもしねーだろうな!)


SL500の走行ラインが一瞬で変わる。寺岡は、桜井がスリップストリームの恩恵を受けるために、その後に続いて走るだろうと考えた。


(ラインを変えた……だけど、この動きでなら、いける!)だが、そう桜井が寺岡の思惑通りに動くはずもなかった。


桜井は寺岡に続かずに、自分のラインで走り続ける。桜井は、その時にオーバーテイクのラインに乗り、一気に寺岡との差を詰めた。


(いける、この先はオレがイン側にいる。そこで仕留める!)(ヤツの車より半分も前も出てりゃ、主導権はコッチが握れる……ヤツが通れるスペースは、絶対(ぜってぇ)空けねぇぜ!)


インとアウトが入れ替わり、桜井はインの主導権を奪おうとした。その時、桜井は何かに気づいて目を見開く。「──ッ!」



SL500のミラーから、桜井が消える。



「何!?アイツ、いったいどこに……!?」すると、アウトのラインに2000GTが現れる。


「……なんだと!?」バックミラーに気を取られているうちに、桜井は寺岡よりも外のラインへと移動していた。


(バカな……今1秒も経ってなかったはずだ!?その一瞬で、インからアウトにラインを変えたってのか──なっ!?」


すると、タイヤにガタが来ていたSL500は、コーナーの段差に耐えられずに、タイヤがバースト。インサイドに向かってスピンした。


桜井は、段差に乗るときにSL500のタイヤに違和感を覚えた。スピンした時のことや、相手の錯乱も兼ねて、インを抜け出し外に振ったのだった。


(アイツ、俺がスピンすることを分かって!?)2000GTの立てるタイヤスモークの向こうで、黒いボディが回転する姿が、一瞬桜井の視界に映る。


(……8位。次はお前だ、大塚義昭!)桜井はスピンするSL500を横目に、先に行ってしまった7位の大塚に狙いを定める。


大塚は6位を走行する987ケイマンを狙っていた。(……またドイツ車かよ。好かれやすいのか知らねぇが、ここは確実に撃墜させてもらう。)


すると、バックミラーにヘッドライトの光が映る。(……さっきのベンツか。ルーキー相手にやっと追いついたか?)


が、何かおかしい。寺岡のSL500にしては少し音が軽いような、直6のエンジン音が近づいてきた。


(……違う、ベンツじゃない?じゃあ何だ……まさか、さっきのルーキーか!?)大塚の後方に、桜井が近づいてきていた。


(ベンツの野郎の方がずっと速いと思ってたんだが、どんでん返しがあったとは……面白くなってきたぜ、来いよルーキー!)


大塚は胸を躍らせ、ケイマンを追いながら桜井の相手も始める。S字コーナーでドリフトを繰り出す大塚に、桜井は圧倒された。


(速ぇ……MRってドリフト厳しいんじゃなかったっけか?とにかく、ヤツの前に出る策はなんだ?考えろ俺……!)






「俺は、桜井くんが6位以上で帰ってくるなんて、微塵も考えてない。」「……何でよ。」第2陣スタート地点前。


水原と南場は東條のポルシェに寄りかかり、雑談をしていた。


「正直言うと、いくら練習した場所でも、やっぱりこのコースを熟知している走り屋たちには勝てっこない。


でも、時名はこのコースをよく知ってる。福岡にはよく来るから。」水原は、少し冷たい言い方でそう話す。


「……んじゃ、悠人がどんな順位でも、東條くんが何とかしてくれるって?」「時名はそのつもりみたい。ね、時名?」


話を振られると思っていなかった時名は、情けない声で答える。「あ、あぁ……そのつもりだ。」


(まぁでも、一応のために桜井くんには俺のよく使う技を伝授した。"アレ"で何とか、順位を上げてくれるといいけど、MR車乗りが使う用だから、望み薄かな……。)


水原は少し考え込む。「どしたの、千代くん?」悩みの顔を見せていた水原を気にした南場は、彼に何を悩んでいるのか聞く。


「……一応と思って、桜井くんには俺のよく使う走り方を伝授したんだ。けど、少し不安でさ。」


「へぇ……それってどんなの?」「まぁ、桜井くんが帰ってきた時話すよ。多分、今ごろ気づいてるだろうから。」






環状線もラストスパートの位置。桜井はフェラーリ相手に接近戦で挑む。(勝てる相手じゃない……けど、やるしかない!狙うは6位、8位じゃ東條さんも満足いかないだろッ!)


(ケイマンの野郎も相手しないといけねぇ。それに加えて、この2000GTのやつも鬱陶しい……クソッ!)


大塚はそう愚痴をこぼしながら、ケイマンを追うことに集中することを選ぶ。(悪いが、金もエンジンも全部俺らが貰う。お前にはくたばって貰うぜ!)


大塚はコーナー直前、バンプドラフトに見せかけた強いプッシュでケイマンに接触する。「なっ!?」


桜井はそれを真後ろで見ていた。あの時、可能性として大塚が接触する可能性が大いにあると見込んだ、まさにその通りだった。


(どーだ、このレースはクリーンにスピードを競うだけじゃねぇ!本気で賞金を狙うなら、このくらいの事はしなきゃだろうが!)


ケイマンはコーナーでバランスを崩し、どんどん外へと膨らんでいく。そして、コンクリートウォールにぶつかり、クラッシュを引き起こす。


(この程度ッ!)「野郎ッ!」大塚は軽々と避け切るが、桜井は突然の出来事に慌ててしまい、避けるものの、少しコーナー脱出でモタついてしまう。


(クソ、やられた……コイツ他のドライバーをクラッシュさせてまで、前に出ようとするつもりかよ!?)


クラッシュ回避により、桜井は狙わずとも7位に上り詰めることになる。桜井はこのオーバーテイクに満足いかず、今度こそ大塚に狙いを定める。


(ムカついた……大塚、お前は俺が必ずブチ抜いてやるッ!)

大塚に突かれたケイマン乗り。

彼は黒の987にテックアートGTスポーツ

というエアロをつけてます。

ワイスピ4でジゼルが乗ってたアレです。

喋ることないなんて言わないで。

以上、あるとでした。

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