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Exhaust  作者: あると
Chapter.3 カーボンランナー編
47/47

3-12 遺志をかけて

あるとです。

受験休みも相まって私は今暇なので、

久しぶりにメダルゲームをしました。

即死でした。500円が一瞬で消えました。

翌々日の深夜。レースの開始地点である、香椎東ランプ前。賑わう中、東條達は一足先に現場に到着していた。


桜井は朝から夕方にかけてぶっ通しで走り込んでいた為に、始まる直前まで南場宅で仮眠を取っていた。「桜井(アイツ)もよくやるよな。朝昼、どっちも食ってないんだって?」


「みたいだね。にしても……ほんと人多いね。」東條は水原と共に、自身のポルシェに寄りかかってそう話しあう。


「あぁ。警察(サツ)が、こういうの検挙しなくなってから、ほんと増えたよな。そのおかげで、俺たちチューニングパーツメーカーは大儲けだからな。篠田先生には感謝だな。」


「だよね。あの人が色々してくれたおかげで、今の走り屋業界があるようなもんだよね。」


今の走り屋が合法で首都高を走れるのは、当時のARTSリーダー、篠田銀也(しのだぎんや)が警察などに直談判しに行ったことがあった為である。


『あんまり暴走族と一緒にして欲しくないですね。300km/hなんて一般人にゃ、出せる速度じゃありませんよ。プロにしかできない事なんです。だから安全です。』


などと、結構な飛躍しすぎている無理を言いつつも、交渉を粘り続けた結果、走り屋そのものが合法となった。が、一応対策もされている。


道路の隅などにバンプを設置することで、走り屋たちの下手な走行を妨害できるようにしてある。


篠田らARTSは関与していないが、高速道路に設置されている全てのオービスが破壊されるという事件もあった。


が、その事件があったからこそ、桜井や東條達走り屋が心置きなく走り込める理由になっているのかもしれない。


「あ、南場ちゃんきた。」二人の目の前に、遅れてきた南場が合流する。


「おまたせ……あれ、悠人はまだ来てないの?」「まだ。もうすぐ来るはずだけど……?」水原が辺りを見回した瞬間。


「……アレが、宮崎春雄のテスラか。」威圧感たっぷりのテスラ モデルSがそこに現れた。「なかなかイケてるわね。」


「見かけはそうだが、中身はどうだろうな。汐里、あーゆーの乗ってる奴が、お前の元カレみてぇなタイプだったりしてな。」


本間は現れたとたん、南場を軽くイジりながら話す。「……元カレの話しないでもらえる?あまり言い過ぎると殴るよ?というか、アナタ運営なのよね。」


「まぁな。西寺とかもそうだぜ。誘われちゃってさ。」「へぇ……んで、宮崎らしい人はいないけど?」すると、テスラの運転席からそれらしき人物が現れる。


「あの子が、宮崎春雄?」「なんか、オドついてるっていうか何ていうか、随分と臆病な性格なんだな。」水原はそうつぶやく。


「血液型とかは調べられるのに性格は分かんねえのかよ。まぁいいや。少し話してくるわ。」そうツッコミを入れながらも、東條は宮崎との接触を図りに向かう。


そのタイミングで、やっと桜井がランプに合流する。「ごめん、遅れた。」「遅い。悠人、どんだけ寝たのよ。」


「もうグッスリね。あれ、東條さんは?」桜井はあたりを見回す。と、すぐ近くで宮崎のテスラの方へと向かっている東條を見かける。


「あぁ、あそこか。」


「よ。君が宮崎春雄くん、かな?」東條は軽い口調で宮崎に話しかける。「えっと、アナタは……東條時名さんですよね?」


やはり、少しオドオドした口調だった。「知ってくれてんのか、嬉しいねえ。」宮崎は小さく頷き、視線を一度だけ東條のポルシェへ向けた。


「は、はい。広島最速の走り屋なんて言われてるんですから、そりゃ知ってますよ。今日はよろしくお願いします。」


「いや、こちらこそよろしく。それじゃ。」軽く挨拶を交わし、すぐに桜井達の元へ戻る。


「さ、先行の桜井クン、頑張ってネ。」「分かってますよ東條さん。狙うは最低でも6位。」


桜井は覚悟を決め、2000GTに乗り込む。会場では、グリッドに並ぶよう合図がなされていた。南場は並んだ2000GTに近づき、桜井にアドバイスをする。


「……無理しないでよ。それと、この車に面白いもん付けといたから、試してみてね。ハンドルのボタンがそれね。」


「……ありがとう、姉貴。ここまで付いてきてくれて。」「……良いってことよ。」桜井は笑顔で窓を閉めると、南場はすぐにその場を離れる。


「俺も準備だけしておこうか。最後にセッティングを決めておきたいし、エンジン温めておきたいしな。」東條はそう呟きながら、桜井のスタートを見守る。


グリッドには桜井含む12台が並ぶ。桜井は最後尾の12番からのスタート。周りの車も本気の仕様の車だらけで、桜井は正直圧倒されていた。


が、もう時間もない。桜井にできることの1つは、ただ勝つために覚悟を決める事、それだけだった。


(……勝ちに行こうとするな。最低、6番手でバトンパスしろ。やる事はそれだけだ桜井悠人。根性見せてやれ!)


桜井はハンドルを強く握る。と、前方でフラッグを握った女性が現れ、大きく振り上げる。


「始まるわね。」「あぁ。」ギャラリーたちの歓声が上がる中、2人は息を呑んでスタートを見守る。そして……。


「──GO!」


その声がした瞬間、グリッドに並ぶ12台全台が一気に加速する。桜井は快調のスタートで、香椎東ランプを駆け登る。


「スタートはバッチリね!」スタート直後、最初の加速に失敗したZ32を桜井はパスし、いきなり11位に出る。


「よし、11位だ。こっからは俺達は、アイツが何やってんのか見れないからな。アイツが無事に戻ってくることだけを祈ろう。」


ランプを抜け、1号香椎線へと入る。ストレートでの伸びがいい2000GTは、ここが一番有利。この場所でのオーバーテイクを狙う。


(前はインテグラのDC5……あれ程度なら抜ける!)桜井は駆動輪が空転しやすいFF車であるインテグラを早めに仕留めておこうと、一気に間合いを詰めていく。


そして桜井は最初の緩いコーナーで外に車体を振る。「なんだと!?」DC5のドライバーは急な動きに慌てたのか、ラインを桜井の通るラインに合わせる。


が、速度が乗りすぎている為にアンダーが出てしまい、壁に車体を擦るようにぶつけてしまう。


(まず1台。)その隙に桜井はDC5を抜き、10位に躍り出る。コーナーを抜け、全開区間。桜井はそこで270km/hを記録する。


(次は、チャージャーか。)前方、9位のチャージャーSRT8を目視すると、また先ほどと同じように間合いを詰めようとした。


が、今度はそうもいかない。相手はわざとブレーキを踏み、桜井に向かって迫ってきた。予想外だった桜井は、相手と同じようにブレーキを踏み、何とか攻撃をかわす。


「チッ、かわされたか。」「ヤロー……!」


桜井は再び加速していくチャージャーを追い、車を加速させる。(そういえば、面白いもんってなんだろ。えい!)


桜井はハンドルのスイッチを押す。と、タイヤをスキールさせながら車が一気に加速する。


体がシートを貼り付けられるような感覚。「これは……ニトロか!?」


そう、南場はトランクにニトロを2本も積んでいたのだ。なぜ気づかなかったのかは置いといて、このおかげで桜井は再びチャージャーとの距離を詰める。


「急に距離が縮みやがった、すげぇ加速力だぜ。だが、またブレーキを踏んで速度を殺してやるだけだぜ!」


チャージャーのドライバーはシフトノブに手を差し伸べようとした。が、異常すぎる距離の縮具合に驚き、ハンドル操作に移してしまう。


「今度はさせない!」桜井は相手にブレーキを踏ませる隙を与えぬまま横に並ぶ。ここで桜井はスイッチから指を離す。


そこでチャージャーのドライバーはシフトチェンジ。その時にできたシフト時のロスタイム。


桜井は常に5速で走り続けていた為に、ロスタイムなんてものはなく、加速に集中できた。が、チャージャーは逆。


ロスした0.5秒が命取りとなった。見事なまでのオーバーテイクで、チャージャーを完封する。2000GTのスピードメーターは、その時300km/hを超えていた。


(2台目。コレで9位か。6位入賞まであと少し、この調子なら行ける!)全台が香椎線を抜け、環状線へと入る。


ワインディングのようなコーナーが続く環状線で、桜井はペースを保ったまま8位のドライバーを追う。


(次が8位。6位以上ならいいんだよな。なら、やれるとこまでやるだけ。親父の遺志をかけて戦ってるんだ。蓄えたものは、全てここで吐き出してみせる!)

DC5ってK20Aなんですね。

B18Cが乗っかってるのかと思ってました。

どちらもいいエンジンですが、

B18Cの方が音が好きです。

以上、あるとでした。

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