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Exhaust  作者: あると
Chapter.1 白翔馬の覚醒編
1/40

1-1 走り屋

あばるとです。

このExhaustという作品、僕の初めて書いた小説です。

なんかしら自分が考えた作品を投稿したいなって考えて、そこで見つけたのが、この小説家になろうでした。

初めてなので誤字脱字が多いかもしれませんが、まあそこんとこは多めに見てください。

これからよろしくお願いします。

2000年、12月。日本はサーキットと化した。


高速道路のほとんどのオービスが破壊され、車の暴走行為も増えていった。走り屋の数も次第に増えていき、警察はどうしようもなく、お手上げという状況に悪化していった。


名古屋に住む少年、桜井悠人も走り屋の一人だった。桜井は免許を取る前から大切にしていた愛車、トヨタ2000GTと共に走り続けていた。


そして2025年、秋。

18歳になった桜井は、いつものように環状線を流していた。

3周目に入ったとき、後ろから走り屋の車であろうエンジンの音がした。バックミラーを見ると後ろから何台もの車の光が見えた。


(よその走り屋か……。)桜井は逃げの態勢に入り、加速した。だがその走り屋の集団は近づいてくる。踏んでも、踏んでも、どれだけ踏んでも逃げ切れなかった。


走り屋の集団は、車列を1列に並べて桜井を抜いた。


前から2番目の位置にいた、赤いロータスエスプリの走り屋は、桜井の2000GTを珍しく思い、少しちょっかいをかけることにした。


エスプリの走り屋は、それを車列の1番前のS30の走り屋に伝えた。


「今の子、ちょっと気になる。トモ、みんな連れてちょっと先行ってて~。」エスプリが車列から外れる。


それに合わせて空いた空間を埋め、他の走り屋は加速していった。エスプリのドライバーは窓から腕を出し、2000GTに向かってハンドサインをした。


(ロータスが車列から外れた?しかも煽ってきてる……バトルしたいのか。)


桜井はエスプリのドライバーの意図を読み取り、ライトを強くしたりした。


「お、ちゃんとわかってくれた。君がどれだけの腕なのか、少し試させてもらうよ!」エスプリの走り屋はアクセルを踏み込み、車を加速させた。


(やっぱり速いな。追いつくこともむずいかも。)


桜井も、同じように車を加速させた。


(どうにかして追いつこうとしてるのが、車の不安定さに繋がっている。でも、速い。成長のし甲斐があるね。)


エスプリのドライバーはコーナーを前にしてのギアチェンジがとてもスムーズで、今の桜井では到底追いつけなかった。だが桜井は諦めなかった。


名古屋の走り屋としてのプライドに傷をつけては、名古屋の走り屋を名乗れなくなると思ったからだ。


「このコーナーの立ち上がりで勝負!」


桜井はコーナー脱出で勝負に出た。その走りに、エスプリの走り屋は驚いた。


「あんな速度で突っ込んで、ちゃんとコーナーを抜けれるなんて……流石だけど、まだまだ!」


だがエスプリを抜くことはできなかった。エスプリの走り屋は仲間に聞いた。


「今どこ?そろそろ環状降りるけど。……あ、もう降りてる?わかった。今そこ行くから。」


仲間が環状を降りていることを知ったエスプリの走り屋は速度を落とし、環状線の出口に入っていった。桜井も、エスプリについていった。


「……2000GTの子、何か気になることでもあったのかな。ま、来るだけ来させるか。」エスプリの走り屋は仲間が屯している居酒屋の前で止まった。


(居酒屋……。)桜井も車を止めた。


するとエスプリの走り屋は車から降り、桜井の方に近づいてきた。そして、窓をノックした。


「ドーモ、2000GTの走り屋さん。」


桜井は、エスプリの走り屋が女性だということに、今はじめて気づいた。そして、その女性がただの走り屋とは違うということも、はっきりわかった。


「速かったですね。あなたの車。」

桜井はエスプリの走り屋に話しかける。


「ありがとう。君も速かったけど、少し車に無理させすぎかな。それに……まぁ、店の中で話そうよ。」


エスプリの女性は桜井を車から降ろさせ、居酒屋の中に連れ込んだ。「え、僕アルコール飲みませんし、飲めませんよ?」桜井は少し戸惑いながらも、着いていった。


「ただいま~みんな!」


エスプリの女性は、仲間であろう人物にあいさつした。

「遅い。もうみんな食い始めてるぞ。」


S30の走り屋であろう男は、エスプリの女性を心配していた。「ごめんごめん。あ、座っていいよ。」


桜井は申し訳なさそうにしながら、席に座った。「……赤城、お前ナンパしてて遅くなったなんて言わないよな?」


S30の走り屋は呆れながら聞いた。エスプリの女性は、「まさか。この子、2000GTに乗ってて。気になったから走ってみたらすごく速くてさ。それで話聞きたいから連れてきちゃった。」と答えた。


「走り屋ね……君、今いくつだ?20代にしては若すぎるもんでよ。」桜井はS30の男の急な質問に驚きながらも答える。


「18……です。」この質問をしたS30の男と、その仲間はみんな驚いていた。『18!?』


「質問したのもなんだが、予想外だった……。つまり、君は免許取り立てで走り屋デビューしたのはつい最近ってことか?」


S30の男は続けて質問した。


「いえ、走り屋としてバトルしたことはないんですけど、名古屋は何回も走ってて。今日で大体3年ってとこですかね?」


やはり、S30の男の仲間は驚く。「5年であんなに速くなれるんだね。ねぇトモ。」


赤城の指した名が誰かわからなかった桜井は、赤城に聞いた。


「トモ?」「あ、自己紹介とかしてなかったね。じゃあまずは、トモからお願い。」


赤城はトモという人物に自己紹介を促した。そのトモという人物は、赤城の自由さに呆れながらも仕方なく自己紹介を始めた。


「急すぎだな...神谷友樹(かみやともき)。年齢は24。愛車はS30。以上。」「もぉ、いつも冷たいなぁ。あ、じゃあ次私。私は赤城絵里奈(あかぎえりな)。東京の走り屋チーム、ARTS(アーツ)の副リーダーでーす!年齢は25歳で、愛車は知ってるだろうけどロータスのエスプリSE。改めて、みんなよろしく!」



赤城は明るく自己紹介をした。


「桜井くんも自己紹介する?」桜井は少し悩んだが、話すことに決めた。


「じゃあ、桜井悠人です。年齢は18歳で、2000GTの前期型が愛車です。」赤城は桜井に聞いた。


「何か夢とかない?」桜井は黙り込んでしまった。「まぁまぁ、夢なんてすぐには見つからないよ。まあ、桜井君、これからよろしく!」「え、これから?これからって……。」


桜井は赤城の発した言葉に戸惑った。「え、チームに入るんじゃないの?」赤城も戸惑ってしまった。


「え……。場は静まってしまった。「赤城...お前まさか桜井君を新入りにする気だったのか?しかもそんな簡単に……。」


神谷は赤城の適当さに呆れてしまった。周りの仲間も黙り込んでしまった。「……ごめんね桜井君。わざわざこんなこと聞いちゃって。」桜井は話を変え場の雰囲気を変えようとした。


「いいですけど……そういえば、ARTSって何ですか?なんか初耳なんですけど。」桜井の発言に、ARTSのチームメンバーたちは驚いた。「え、ARTSって知らない?」「はい。」即答だった。


「ん~、ARTSってのはね、25年前に出来た日本最速の走り屋チームって呼ばれてる走り屋チーム。ちなみに今のリーダーはそこにいる神谷くん。速いんだよね、彼も。」


桜井は驚いた。それと同時に納得もあった。副リーダーにタメ口を利けるのはリーダーくらいだからだ。


「ARTSのリーダーは、相手が誰でも、負けたらその座を降りないといけない。先代は20年くらい負け無しだった。」「先代ってことは、その人は……?」


桜井は質問した。その質問に答えたのは赤城だった。「トモが負かしたの。先代をね。」

神谷がリーダーになっているのは、神谷が先代を倒したからであった。


そうでなければ、引退後のARTSリーダーは、先代の5年来の副官の赤城になる予定だった。そこに神谷が下剋上を起こした。たった一人でだった。


「まさかトモが勝つとは思わなかったよ。昔からキングの副官になりたいって言ってたのに、まさかその約束を超えて、日本最速になってるとは。」


赤城は昔の神谷の話をした。「俺は嬉しいさ。夢をかなえるどころか、それを超えてるんだから。この世界は実力をそのまま武器として戦う。その武器で、帝王を撃破したまでだよ。」


桜井はその会話にピンときた。「夢……そうだ!」桜井は立ち上がり、思ったことを話した。


「夢、決まりました!僕はいつかARTSと戦って、神谷さんを倒して、日本最速になってみせる!それが夢です!」


赤城と神谷は目を合わせてから、笑った。「ハハハ、いいじゃんその夢!私はその夢、桜井君にかなえて欲しいな!」


桜井は思っていたより好反応だったことに驚いた。「面白い。走り屋のプライドとして、ぜひ倒してもらおうか。」


桜井は、居酒屋の掛け時計に目が行った。時計の針は、午前6時を指していた。「え、今6時!?やばっ、学校あるじゃん!」


桜井は家に帰る準備をし始めた。「桜井君、学生なの?え、どこ高校?」桜井は準備をしながら答えた。


「桜ヶ丘高校ですよ!この居酒屋でて左の道まっすぐの!」赤城は桜井の帰宅準備の手伝いをした。桜井は準備を済ませ、居酒屋をでた。


「じゃ、また会いましょう!今日は楽しかったです!」


桜井は車に乗り込み、急いで自分の家に向かって車を走らせた。

「……行っちゃった。桜井悠人……ねぇ。」


赤城は、また会えることを楽しみにしながら、また仲間の元に戻った。

はい。記念すべき第1話でした。

なんというか、凄く楽しく書けました。

これからもこんな感じで書いていきます。

以上、あばるとでした。

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