第84話 誕生日
「いいか? 美羽が入って来たらクラッカーパーンだからな?」
「クラッカーパーン?」
今日は7月24日。
我が葉城高校生徒会会長濱垣美羽の誕生日。
「フッフッフ、この物語に誕生日ネタがあるとは・・・」
「どうした春吉?」
今日の赤佐はツッコミ役。
「つまりキャラが年をとるって事は、この小説はサザエさん方式に当て嵌まらない事になる」
「春吉?」
「って事は、まさかの最終回に卒業式フラグが・・・」
「・・・春吉、主人公が世界観ぶっこわすな」
「はぁ〜、暑い」
・・・廊下から美羽の声が聞こえた!!
「もうすぐでターゲットが来るぞ、みんなクラッカーの準備!!」
来るぞ・・・
ガチャリ
「おいーっす!!」
美羽入室!!
今だ!!
パーンッ、パンパーンッ!!
「えっ!?」
美羽動揺中!!
いくぜ!!
『美羽、HAPPY BIRTHDAY!!』
パンパーンッ、パーンッ!!
全員でレッツお祝い!
「美羽、誕生日おめでとう!!」
「・・・おめでとう(ニコッ)」
「美羽さん、お誕生日おめでとうございます!」
「濱垣さん、お誕生日おめでとう!!」
「美羽、おめでとさん!!」
「え・・・」
美羽放心状態。
まぁ、ビックリはするだろうな。
「今日は7月24日。お前の誕生日だろ」
だから早く放心状態から脱出しろ。
「誕生日・・・まさかみんな・・・」
美羽・・・涙出てる。
「HAPPY BIRTHDAY!」
「うぅ・・・うわぁ〜ん!!」
「な、何っ!?」
ご、号泣だとっ!?
「ありがとうぅ〜・・・!!」
「フッ・・・」
涙脆いヤツだ。
「“美羽ちゃん、お誕生日おめでとう”・・・このメッセージ、幼稚園児か?」
「赤佐黙れ」
美羽誕生日パーティー
その1、ケーキ入刀。
「ぱーんぱーぱぱーんぱーん、ぱぱぱぱぱーんぱーんぱーん」
亜希が入刀のテーマを口ずさむ。
あ〜、活字じゃ分かりにくい!!
ちなみに司会者は亜希なのだ。
・・・ちょっと心配。
「ケーキ入刀、それは初めての共同作業!!」
それは結婚式。
「それでは、美羽さんと楓さんは壇上に上がって下さい!!」
何故楓?
「では、どうぞ!!」
「う、うん」
サクッ
「はい、初めての共同作業です!! カメラをお持ちの方は、どうぞ前へ!!」
だからそれは結婚式。
パシャッ
小夜、携帯電話のカメラ片手に壇上前へ。
ノリがいいな。
美羽誕生日パーティー
その2、キャンドルサービス。
だからコレ結婚式だろ!?
「皆様、只今より新婦によるキャンドルサービスを行います!!」
とうとう新婦言ったよ司会者!!
「新婦はチャッカマンの準備を」
「あ、うん」
美羽もノリがいい。
「では、照明ダウン!!」
パチっ
電気が消えた。
ああ、ろうそくの火が幻想的で美しく・・・は、ならなかった。
おい、誰か最低でもカーテンしめようぜ。
日輪眩しぃ〜!!
キャンドル意味ねぇ。
美羽誕生日パーティー
その3、お色直し。
お色直し・・・やる必要あるのか?
「では、美羽さん再入場です!!」
ぱちぱちぱち!!
数人の虚しい拍手と共に、美羽入場。
でもね、
「何故ガチャ〇ン着ぐるみ?」
緑色・・・
つーかあんなの買ったっけ?
「やあ、ボクガチャ〇ンだよ〜(天の声)」
美羽声マネ上手い!?
「赤い毛むくじゃらを見ると、軽く殺意沸くんだ!!(天の声)」
何っ!?
「だってアイツ、ボクの隣でアワアワしているだけなのに、ボクとギャラ一緒なんだよ?(天の声)」
止めて!!
子供の純粋な気持ちが崩壊しちゃう!!
「ボクはスノボーやスキューバやって、いつも命掛けてんのに。ボクだって楽に金を稼ぎたいよ!!(天の声)」
マジ止めて!!
緑の恐竜、そんな事言わない!!
「赤い毛むくじゃらを見たら、別の意味で真っ赤に染め上げるね!!(天の声)」
怖っ!!
ガチャ〇ン・・・いや、美羽怖い!!
美羽誕生日パーティー
ラスト、両親へ感謝の手紙。
結っ婚っ式っか!!
「では美羽さん、今は亡き御両親に向けて、感謝の手紙を!!」
「・・・両親、まだ普通に生きてんだけどな・・・」
とか言いつつも、美羽は手紙オープン。
いつ書いた?
「お父さん、お母さんへ。
今日、私は17になりました。
とても長かった17年間、本当に長かった。
・・・以下略」
か、感動や!!
「では最後に、美羽さん退場」
退場?
卒業式か?
「♪白い光の中に、山並みはもえて♪」
亜希が歌い出した!?
卒業式か?
「・・・んな事より、早くバンド練習しようぜ」
後書きトーク!!
春吉
「ってか今回、ガチであの着ぐるみどっから持ってきた!?」
楓
「え? あのパーティーグッズ専門店で買ったんだよ?」
春吉
「何ッ!? いつの間に!?」
美羽
「あ〜、ガチャさんの中は灼熱地獄ぅ〜」
春吉
「ガチャさん!? それもしかしてガチャ〇ン・・・」
楓
「春吉知らねぇの? あの着ぐるみはガチャさんの着ぐるみだよ?」
春吉
「ガチャさん誰!?」
美羽
「ガチャさんっていうのは、赤いモップの化身ムックリとコンビを組む、天才恐竜の事だよ?」
春吉
「・・・それはアレか? ポン〇ッキ敵に回してる?」
楓
「ガチャさんは凄いんだぜ? 恐竜なのに宇宙へ行ったり、深海へ行ったり」
春吉
「本家よりすげぇ!!」
美羽
「次回三姫第85話“詩が出来ない”とうとう夏祭りパートも佳境突入!!」
春吉
「ガチャさんか・・・著作権とか知ってんのかな?」