第83話 買い出し
前話のあらすじ
美羽の誕生日パーティーやる事になった。
俺は楓と共にパーティーグッズとケーキの購入。
お金はみんなで出し合って。
まぁ、最悪亜希が多めに払ってくれるらしいが・・・基本割り勘。
「・・・・・」
で、今俺は楓とパーティーグッズ専門店にきてます。
相変わらず空気は最悪ぅ〜。
「ヒゲメガネとクラッカーと・・・三角コーン帽子に・・・」
つーかこの店凄い。
パーティーグッズの他にも、手品グッズ、着ぐるみ、はたまた特殊メイク用の素材まであるし。
「う〜ん・・・」
着ぐるみ買おうかな?
一方の楓さんは・・・
「・・・・・・」
超キラキラした目でガチャ〇ンらしき着ぐるみを凝視。
なんでも揃ってるな、この店。
・・・今、会話のチャンスかな?
「な、なぁかえ・・・・・」
「・・・・・・」
あ、無言で去っていった・・・。
まだ駄目か・・・
次にケーキ屋。
「えっと、このチョコレートのホールケーキを一つ」
「かしこまりました」
俺が購入、楓は店内をぶらぶら。
「お客様、お誕生日用ですか?」
「あ、はい」
「では、ろうそくは・・・?」
「あ、じゃあ17本お願いします」
ろうそくか・・・懐かしいな。
子供の頃、誕生日ケーキのろうそくの火を両親に消されて、怒り狂った思い出が・・・。
今思えば、あの時既に借金を・・・
「お客様、チョコにお名前やメッセージでもお入れいたしましょうか?」
「あ、メッセージか・・・」
“HAPPY BIRTHDAY美羽”じゃベターだしな・・・
どうしよう・・・
あ、そうだ!!
俺のイタズラスキル発動!!
「じゃあ“美羽ちゃんお誕生日おめでとう”で」
幼稚園児風に!!
「かしこまりました」
店員、無表情でかしこまった!!
一方の楓は・・・
「すげぇ〜・・・」
飴細工に興味津々。
・・・まだ心は子供なのね。
最後に料理の材料調達
小夜と亜希が料理するらしい。
で、俺はメモを確認。
「えーっと、鶏肉にキャベツにトマトに・・・黒糖にこんにゃくに春菊、タコに黒酢に食パン・・・って、何作るの?」
一方の楓は、ケーキを持ったままスーパー内をうろうろ。
「あと・・・味噌に歯磨き粉に鉛筆にドッグフード・・・???」
マジで何作るの?
まぁ、とりあえず片っ端から買ってくか。
「まずは野菜・・・ん?」
あれ? もう何かカゴの中に入ってる?
「プリン、ゼリー、ヨーグルト・・・」
どれもメモには書いてないものだ。
「・・・ん?」
「・・・・・」
どこかに行ってた楓さんが、カゴにアイスを投下・・・。
「・・・余計なモンは買わないぞ」
「えっ・・・」
なるほど、犯人はコイツか。
「余計なモン買うと、予算内で収まんねぇんだよ」
「・・・いいじゃん、これくらい」
「駄目だ、買うならみたらし団子にしなさい」
「何でみたらし団子!?」
「え? 今俺が食べたいから」
「なっ・・・だったらプリンだろ!! カスタードとカラメル食べたい!!」
「駄目だ!! 絶対みたらし団子!!」
「なんだと・・・!!」
うおっ!!
楓さんから邪悪なオーラがっ!!
「み、みたらしがいいです!!」
「いやプリンっ!!」
「なっ・・・っわーったよ、プリンでいいよ」
「おしっ!!」
楓さんガッツポーズ!
「・・・ははっ」
コイツは子供か!?
でもまぁ、いいか。
知らぬ間に、仲直りも出来ていたし。