第82話 補習
翌日。
「ぐあっ・・・死んだ、俺もう死んだ・・・」
今日から楽しい楽しい夏休み!!
夏祭り!!
海!!
肝試し!!
プール!!
スイカ!!
お盆!!
ドヒャ〜!! 夏休みエンジョイしたい!!
だけど俺は無理!!
「・・・つまり、ここのXがこのYにかかって、3と6を掛けて・・・」
現在赤点補習中。
今日は午前補習、午後バンド、夜バイト。
夏休みって、何?
「くそっ、海行きてぇ〜なチクショー」
「激しく同感」
俺は補習を受けながら、斜め前の席の権三朗と会話。
「海行って泳いで、夜は花火して・・・」
「水着美女をナンパして、一緒に水中騎馬戦・・・ウヒヒ」
「・・・・・」
権三朗は、立派な思春期だな。
「こら木山、重原!! 真面目にやれ〜!!」
あ、教師怒った。
「「サーセン」」
あ、権三朗とかぶった。
この世の終わりだ・・・
「何で!?」
「権、人の心を読むな変態」
「権・・・」
「♪いーいーなーいいなー、常人っていーいーなー♪」
「・・・どうした?」
現在午後。
「♪赤点無いやつ夏休みエンジョイ、きっとみんなでスイカを食べる♪」
「おーい、春吉?」
「♪かえろかえーろお家へかえろ、赤佐を殴ってバイバイバイ♪」
ドスッ!!
「痛いっ!?」
「はぁ〜、赤点無かったヤツはいいなぁ〜」
補習メンドイ。
「そんなの、勉強しなかったお前が悪いんだろ!!」
「うるせぇ・・・」
はぁ〜、スイカ食べたいな。
「まぁ、頑張れ」
「まさに他人事って感じだな」
はぁ〜。
「あと本番まで数日しかないぞ。各自家でも練習しろよ」
バンド練習終了。
今話は色々はしょりまくり!!
「さーて、バイト行かないと・・・」
携帯持った、財布持った。
よし行こうと思った、その時。
「・・・春吉」
「ん?」
話し掛けて来たのは小夜。
「どうした?」
「・・・明日、どうする?」
「え? 明日?」
って、何かあったっけかな?
「・・・・・」
「明日・・・明日・・・」
明日は・・・補習にバンドにバイト。
まさに今日と同じ。
「・・・もしかして、忘れてる?」
「・・・はい多分」
何かあったっけ?
「・・・明日、美羽の誕生日」
「明日・・・あぁ、そういや」
明日は美羽のバースデーだ!!
「・・・春吉、どうするの?」
「ど、どうするって言われても・・・」
正直、何も考えてない。
ぶっちゃけ忘れてた訳だし。
「・・・明日、音楽室でパーティーでも・・・」
「ん、あぁ、それいいんじゃない!?」
パーティーか・・・
「・・・明日、美羽が来る前に装飾とかする?」
「ああ、するか」
とうとう美羽も17歳か・・・。
免許証取得まであと1年だ!!
「・・・じゃあ、飾りの買い出し、春吉と楓で言ってね」
「・・・は?」
「・・・私と亜希で料理作るから。よろしくね」
「・・・楓とか」
確かに楓は料理とか出来ない・・・って違う!!
「く、空気が・・・」
「・・・じゃあ、楓にも言ってくるね」
さ、小夜さん!?
嘘だぁ〜!!
「何気に俺、忘れられてね?」
by赤佐大輔
後書きトーク!!
麗
「そういえば、先輩の誕生日って・・・?」
春吉
「ん? 2月3日だけど?」
麗
「2月3日・・・」
春吉
「あ? 何?」
麗
「あ、いや・・・2月って冬なのに“春吉”なんだなと・・・」
春吉
「な・・・う、うるせぇ!! 2月3日は節分だろうが!! 冬から春に変わる日だぞ!!」
麗
「あ、そう言えばそうですね」
春吉
「だから、その春に吉がありますように・・・みたいな?」
麗
「なるほど・・・そういう意味が・・・」
春吉
「何? 今までどんな意味だと思ってたの?」
麗
「いや、ただ春のようなポカポカした人間・・・みたいな感じで・・・」
春吉
「ぽ、ポカポカ・・・」
麗
「じ、次回三姫83話“買い出し”。もはやバンドとは全く関係のない話になってきましたね・・・」
春吉
「い、いいんだよ!! ・・・それより、泡岸の誕生日って・・・?」
麗
「え? 3月3日ですが?」
春吉
「あ、ちょうどひと月違い・・・ってか、雛祭りの日かよ・・・」
麗
「何か?」
春吉
「あ、いや、何も・・・み、みんなも誕生日は大切にね!!」
麗
「・・・強引にシメましたね」