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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
春吉ママ参上篇
9/116

第9話 ヤンキーさん


 学校からの帰り道。

 

 「ふわぁ〜・・・」

 

 ヤバ、眠い・・・

 今日は学校で寝なかったからな・・・

 ずーっと机の下に携帯ゲーム忍ばせて、狩り三昧でした・・・はぁ。

 

 いつも深夜アニメ見ている俺は、学校で寝ないと・・・脳が・・・やばくなる。

 

 ああ・・・寝てしまう・・・。

 歩きながら寝ると言う、前代未聞の偉業を今、俺は達成しようとしている!

 

 寝るな俺、幸い今日は見たい深夜アニメはない。

 家に帰ったら思う存分寝られるのだ。

 だから・・・ここで・・・寝ては・・・いけない・・・グゥ。

 

 その時!!

 

 「誰か、誰か助けて〜!!」

 

 ・・・は?TASUKETE?

 

 「助けてぇ!!」

 

 ・・・確かに聞こえた!!

 多分、小さい男の子の声だ!!

 

 と、とりあえずよ〜く耳を澄ませてみよう。

 

 「・・・おいガキ、大人しくしねぇか!!」

 

 「だ、誰か・・・」

 

 「黙れガキ、シバくぞ!!」

 

 ・・・これは・・・近くのビルの路地裏からだ!

 

 「う・・・どうするか・・・」

 

 助けに行くか、スルーするか。

 

 しかし、半分寝ていた俺の脳は、何を考えたのかそのまま路地裏へ。

 普通、携帯を110に設定した上で突入が当たり前・・・。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 案の定、俺が路地裏に行くと、ヤンキーの皆様が少年相手にカツアゲ中でした。

 

 「んあ、誰だテメェ」

 

 ヤンキーは五人、そのウチの一人が俺を発見、うわ、メンチ切られた!!

 

 「え!!あ・・・」

 

 ここに来て眠気が覚めた!!

 つーか今更になってこの行動を後悔!!

 眠気のバカヤロー!このタイミングで消えんじゃね〜よ!!

 

 「誰だって聞いてんだよッ!!」

 

 ヤンキーさんがこちらへやって来て・・・俺の胸倉をギュ〜っと・・・

 アカン、このままだとシバかれる。

 

 「あー、ちょ、ちょっと待ってください!!」

 

 とりあえずお話をッ!

 

 「あー!!何だ!?」

 

 ヤンキーの顔ごっつい・・・いや、今はそんな場合じゃねぇ!!

 

 「いやー、あの・・・貴方がたは今、何をなさっていたのかと・・・?」

 

 俺は少年の方をチラ見・・・他のヤンキー四人に捕まってますね、アレ。

 

 「あ?見て分かんねぇのかよ?カツアゲだよ、カ・ツ・ア・ゲ」

 

 ヤンキーさんが笑ってらっしゃる・・・。

 

 「アハハ、そうでしたか、じゃあ僕はこれで・・・・・」

 

 「あ?何言ってんだテメェ?」

 

 ・・・泣きたい。

 

 「何とは・・・?」

 

 「テメェ、こんなんで帰れると思った?」

 

 「・・・ハハハ、ですよねぇ」

 

 ・・・俺の脳内に選択肢が現れた。

 

 1、このヤンキー殴って、他のヤンキーも殴って、少年救助。

 

 2、有り金全て渡して土下座。

 

 3、もう諦める。

 

 

 

 ・・・よし、3にしよう・・・と、思いきや!!

 

 ドスッ!!

 

 「ぐはっ!!」

 

 ヤンキーさんの腹にパーンチ!!

 よし、胸倉を掴むヤンキーさんの手が放れた!!

 

 俺はダッシュで少年の元へ!!

 

 「テメェ!!」

 

 他のヤンキーさんブチ切れ!!

 ヤンキーさんのパンチが飛んできた!!

 

 「フッ!!」

 

 俺はそれを何なくかわし・・・

 

 ドスッ!!

 

 「がはっ!!」

 

 もう一人いたヤンキーさんの蹴りをもろに喰らいました。

 

 「弱っ!!」

 

 ヤンキーさんが笑ってらっしゃる・・・

 俺はむせながらも少年の元へ・・・そして

 

 「今のウチに逃げろ!!!!」

 

 俺、カッコイイでしょ!?

 

 ヤンキー四人に向かいタックル!!

 

 「うぉっ!!」

 

 怯んだ!!

 

 「早く逃げろ!!」

 

 俺は叫ぶ!!

 少年は涙で顔面くしゃくしゃにしながらダッシュ!!

 

 「あ、しまった!!」

 

 ヤンキーさんの一人がそれに気付き、少年確保へ向かったが・・・

 

 「させるか!!」

 

 俺はさらにタックル!

 

 「なっ!!」

 

 ヤンキー再び怯む!!

 

 少年は一度こっちに振り返ったが、そのままダッシュで行ってしまった。

 

 「・・・よし」

 

 俺は・・・はにかんだ!!

 ハハッ!!

 

 

 

 その後、ヤンキーさん達にボコボコにされましたが・・・。

 

 

 え?良くあんな度胸のあること出来たな、てか?

 まぁ・・・あの時は自分に暗示掛けてましたからね。

 

 俺はモンキー・〇・ルフィなんだって。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日

 

 「・・・・・春吉か?お前」

 

 権三朗が聞いてきた。

 

 「ああ」

 

 と、返す俺。

 

 「アンタ、誰?」

 

 楓が聞いてきた。

 

 「春吉です」

 

 と、返す俺。

 

 「お、お化けぇ〜!」

 

 美羽が塩投げてきた。

 

 「やめて下さい」

 

 と、返す俺。

 

 

 

 まぁ、皆のリアクションは当然だろう。

 

 今、俺の顔は試合に負けたボクサーみたいな顔になってるのだ。

 アザは当たり前、内出血、たんこぶ、擦り傷、切り傷なんでもあり。

 

 「どうしたんだよ、何かあったのか春吉?」


 

 「権三朗君、良く聞いてくれた。実は・・・」

 

 昨日の事を全て話した。 

 「・・・マジで?」

 

 「イエス、マジで」

 

 あの後、カツアゲされヤンキーさんから解放された俺は警察へ行こうとしたが・・・面倒臭かったので、そのまま家に直行。

 

 「春吉・・・普通警察行くよね、そう言う場合」

 

 「だから今日行こうかな・・・と」

 

 その時

 

 ガラガラガラッ

 

 担任入室。

 

 「じゃ、また後で」

 

 と、権三朗は一旦自分の席へ。

 

 「おし、みんなおはよう。よし、じゃあ出席取るぞ・・・赤佐」

 

 「はい」

 

 「市原」

 

 「ほい」

 

 「荏咲」


 

 「・・・・・」 

 

 「荏咲・・・なんだ、今日もいないのか」

 

 担任の言葉に、俺は小夜の机を確認・・・小夜はいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結局、その日小夜は昨日と同じ、1時間目の休み時間に登校。

 

 「おう!!」

 

 「・・・・・ッ!?」

 

 またシカトか・・・と思ったら、俺の顔を見て硬直。

 

 まぁ・・・そのリアクションには慣れました。

 

 アハハ・・・と笑うと、小夜はこっちに接近。

 

 「・・・・・春吉、どうしたの?」

 

 「あ、いや、昨日、カツアゲされてた子供を助けてさ」

 

 俺の言葉に小夜はビクッと反応。

 

 「まぁ、あの時の俺はモンキー・〇・ルフィだったからさ、ギア3でボコボコにしてやりました!!」

 

 俺はガッツポーズ!!

 まぁ、一部嘘だが。

 

 すると・・・

 

 「・・・・・春吉、その少年って・・・」

 

 「ん?ああ、名前は知らねぇよ?」

 

 そう言うと・・・

 

 「・・・・・春吉、だったんだ・・・」

 

 「は?」

 

 何?

 

 「・・・・・多分、その少年・・・」

 

 「少年・・・?」

 

 「・・・・・私の・・・弟」

 

 「・・・はい?」

 

 ・・・何?この展開。

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