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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
夏休み音楽ライブ篇
83/116

第75話 作詩


 「よし、とりあえず一旦休憩!!」

 

 美羽に拉致られ、強制的にやらされたデブとの歌レッスン。

 

 もはや精神崩壊が予期できた程のメンタル面強化型歌レッスンに、俺は約3時間も耐えた。

 

 ・・・頑張った、俺。

 

 で、やっとこさ休憩の時間に!!

 

 ・・・やったよ、俺!

 

 しかし、この後の赤佐のある一言で、俺の休憩時間は地獄へと変わる。

 

 「じゃあ、この休憩時間中に詩の発表でもするか!!」

 

 ・・・え?










 「じゃあ、誰から発表する?」

 

 現在休憩時間。

 

 俺達は音楽室の机を利用し、詩の発表会を開催中です。

 

 ヤバイ・・・まだ詩出来てないよ!!

 

 「はいはーい、あたしからやる!!」

 

 その時、楓がガバッと立ち上がった。

 

 「じゃあ沢那さん、どうぞ!!」

 

 楓の詩・・・なんか、凄く微妙そうな・・・。

 

 「では!!」

 

 

 

 力任せ

 作詩・沢那楓

 

 力を使う時 私はいつも考える アイツを倒し 私が天下を取る 

 

 信長さんは言いました 鳴かないと 殺っちまうぞ ホトトギス それは嫌だな ホトトギス

 

 ホトトギスって なんだろな? 鳥かな 魚かな 人かな 信長かな

 

 

 

 「どうだ?」

 

 「これ、ただのお前の疑問じゃねぇか!!」

 

 もはや詩なのか?

 

 「何だよ、これホトトギスの事を意味深げに書いた、いい詩だろ?」

 

 「ホトトギスは鳥だ、信長じゃない!!」

 

 ・・・やはりボケてきたか。

 

 「次は誰いく?」

 

 赤佐は司会役。

 

 「じゃあ・・・私いきます!!」

 

 亜希きた!!

 

 「じゃあ渡邉さん、どうぞ!」

 

 「はい!!」

 

 

 

 乙女心

 作詩・渡邉亜希

 

 春の明るい夕方に あなたの事を思い出す 爽やかな春風に誘われて 私は一歩を踏み出した

 

 あなたはいつも笑ってた 私は影から見てるだけ でも今日は違うの 一歩踏み出し伝えるの

 

 四番目は嫌だけど 三人同棲辛いけど あなたの事が大好きよ いつかは一番の女になるの

 

 

 

 「ど、どうですか?」

 

 「・・・まだその勘違いしてんのねアンタ」

 

 マジでか・・・

 

 「あとさ、歌うのは俺だからな? 男が乙女心とか歌えるかぁ〜!!」

 

 「私はいつか、春吉くんにとっての一番になりますから!!」

 

 「だから違ぁう!!」

 

 

 

 

 

 「では次・・・」

 

 「・・・はい」

 

 お次は小夜!!

 

 「で、でででは、え、荏咲さささん!!」

 

 赤佐落ち着け。

 

 「・・・うん」

 

 

 

 Family Smile

 作詩・荏咲小夜

 

 当たり前と思っていた 家族の笑顔 何事もない 自然な笑顔


 太陽のような その笑みは 暖かい心を作ってくれる 私の心の古里

 

 いつも側にあると 思っていた 無くならないと 思っていた

 

 だからそれが 当たり前じゃ無くなった時 その暖かさが 大切な気持ちって知った

 

 ありがとうって 家族に伝えよう 今だからこそ 伝えよう 暖かい気持ちがある 今だからこそ

 

 

 

 「・・・どう?」

 

 「・・・うん」 

 

 ・・・普通だな。

 でもまぁ、大魔神や財閥よりかは断然ましだ。

 

 「俺は凄くいいと思うよ荏咲さん!!」

 

 赤佐さん!?

 

 「・・・そう?」

 

 「ああ、まさに神レベルの詩だよ!!」

 

 「・・・ありがとう(ニコッ)」

 

 「くはっ・・・!!」

 

 赤佐は鼻血を出しつつ卒倒。

 だれかティッシュ持ってこい!!






 「じゃあ次は・・・濱垣さんいく?」

 

 両鼻にティッシュを詰めた赤佐は、ノリで美羽を指名。

 

 「えっ、私!?」

 

 一方の美羽はあたふた状態。

 

 「いっとけ美羽、最後になると変にハードル上がるぞ」

 

 「え・・・う、うん・・・」

 

 さあどうなる?

 

 「あ、あんまり期待しないでね」

 

 

 

 雨の日Day's

 作詩・濱垣美羽

 

 朝目が覚めたら 空は曇り空 僕はがっかりしながら 支度をする

 

 長靴履いて 傘を持って 雨降る道を歩いて 学校へ向かう これじゃあ 校庭で遊べないな

 

 授業を受けて 昼休みが過ぎて 雨は少し小降りになって 帰る頃には太陽が顔を出す

 

 友達と歩く帰り道 僕は水溜まりへDive!! 水しぶきが輝きながら この青い空に舞ったよ

 

 

 

 「ど、どうかな?」

 

 な、何か歌の歌詞っぽい!!

 

 「何かいいな!!」

 

 「そ、そう?」

 

 まぁまぁな詩だな。











 次は赤佐。

 

 「いよいよ、俺の出番だな」

 

 「いけ赤佐、そして玉砕しろ赤佐!!」

 

 「フッフッフ、ナメるなよ春吉!!」

 

 

 

 心の方程式

 作詩・赤佐大輔

 

 真っ白な心のノート そこに書き写すは 心と心の方程式

 

 愛と幸せを足して恋愛を作り出す 信頼と楽を足して友情を導き出す 虚無と孤独を足して悲しみを作り上げる

 

 真っ白な心のノートには いつしか沢山の 心の方程式が 書かれていったよ

 

 友情から善意を引いて裏切りを作り出す 悲しみを喜びで割って平凡を導き出す 安心と恋愛を掛けて好きを作り上げる

 

 ノートはいつしか いっぱいの方程式で 書き尽くされた それが僕の 生きてきた意味なのだから

 

 

 

 「どうっすか?」

 

 こ、こいつ・・・

 真面目か?

 

 「まぁ・・・いいんじゃない?」

 

 「そうか? ハッハッハッハッハ!!」

 

 うぜー。









 で、

 

 「最後は春吉だな」

 

 来てしまったか・・・

 

 「・・・フッフッフ」

 

 もう、その場で口任せに言うしかない!!

 

 「春吉、いいのを任せたぞ」

 

 「フッフッフ」

 

 

 

 無敵な俺

 作詩・木山春吉

 

 太陽は昇る 我を輝かせるため 太陽は昇る 我を引き立たせるため

 

 我は無敵 無敵なのだ 太陽は我に敵わない 我は最強なのだ

 

 自由研究は太陽について調べました 宿題は太陽の下でやりました 読書感想文は太陽の本を読みました

 

 ああ太陽太陽太陽 我が手下の太陽よ、明日に煌めけ

 

 

 

 「どう?」

 

 はぁはぁ、即興で作ったよ詩!!

 

 「・・・・・」

 

 ・・・シカト?

 

 ・・・はぁ。

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