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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
夏休み音楽ライブ篇
82/116

第74話 どんぐり


 「♪どんぐりころころどんぐりこー♪」

 

 「♪ど、どんぐり〜ころころどんぐり〜こ〜♪」

 

 「・・・駄目だ」

 

 「は!?」

 

 現在デブと個別レッスン中。

 まぁ、詳しくは前話を見てくれ。

 

 「全然なってない、もっと気持ちを込めて歌わないと!!」

 

 「気持ち・・・」

 

 精神面かよ・・・

 

 「もっとどんぐりさんの気持ちになって!!」

 

 「どんぐりさん・・・」

 

 「そう、どんぐりさんの気持ち!!」

 

 はぁ〜。

 

 「ではいくよ・・・♪どんぐりころころどんぐりこー♪」

 

 「♪ど、どんぐり〜ころころ〜どんぐりこ〜♪」

 

 どんぐりの気持ち

 それはきっと・・・

 

(デブより綺麗な子!!)

 

 ※しつこいようだが、主人公は思春期。

 

 「・・・駄目だ、もっと気持ちを込めて!!」

 

 「ちょっと休憩してきます」

 

 ええ加減にしなさい。















 「♪デブさんころころデブさんこー♪」

 

 そんな歌を歌いながら、俺は休憩がてら校内をぶらり旅中。

 

 「ったく、俺は精神面より技術面を教えて欲しいのに・・・」

 

 精神面なんて、こっちはもう強化済みなんだよ。

 

 「ったく、あのデブ・・・ん?」

 

 「♪〜〜♪♪♪〜♪〜♪〜〜♪〜♪♪〜」

 

 その時、どこからか音楽が・・・

 

 「・・・これ」

 

 綺麗な音色だな。

 なんの音だろ?

 

 「♪〜♪♪〜〜♪〜〜♪♪♪♪♪〜」

 

 これは・・・笛?

 フルート?

 クラリネット?

 

 「それにしても上手いなぁ」

 

 楽器素人の俺でもわかる、かなり上手い。

 

 なんて思いながら歩いていると・・・

 

 「・・・はぁ〜」

 

 いつの間にか、音楽室がある特別教室棟に戻ってきていた。

 

 「♪〜♪♪〜♪〜♪〜〜〜♪〜♪♪」

 

 ・・・・・ちょっと、視聴覚室覗いてみようかなぁ〜?

 どうせ音楽室へ戻っても・・・。

 

 『気持ち、気持ちが大事ダァーッ!!』

 

 だし。

 

 「確か、視聴覚室は吹奏楽部が・・・」

 

 行ってみようかな?

 その時、

 

 「・・・何してるんですか?」

 

 「ん? ・・・ってうおっ!? お前は!!」

 

 び、ビックリ!!

 何故か後ろに泡岸の姿あり!!

 

 「確か木山先輩ですよね? 何してんですか、こんな所で」

 

 「あ、いや・・・」

 

 そう言う泡岸の手には、木製の笛。

 

 「凄く怪しいんですけど・・・」

 

 相変わらず素っ気ない態度だな。

 

 「あー、確か泡岸、お前吹奏楽部だっけ」

 

 必技、強引に話を変えるの術!!

 

 「・・・先輩、人の話聞いてます? こっちは質問を・・・」

 

 「その手に持ってんの、泡岸の楽器か?」

 

 「・・・・・・」

 

 あ、あれ?

 呆れられた?

 

 「・・・ベークラです」

 

 「・・・は?」

 

 ベーコン?

 

 「ソプラノクラリネットの事です」

 

 「あ、ああー!!」

 

 ならそうと言って欲しいな。

 

 「泡岸はクラリネットなのか」

 

 「まぁ、はい」

 

 確か、音楽の授業で教科書に載ってたな。

 

 「なぁ、クラリネットとかって、吹くの大変なのか?」

 

 「・・・まぁ、初心者には難しいですかね」

 

 「へぇ〜」

 

 その時

 

 「あ、いた!!」

 

 「ん?」

 

 誰かの声が。

 で、俺は後ろをルック。

 

 「春、サボってないで練習に戻る!!」

 

 「げっ、美羽・・・」

 

 うわ〜・・・

 

 「・・・では、私は吹奏楽部の練習に戻るので」

 

 「え、あ!!」

 

 あ〜泡岸が去って行くぅ〜!!

 

 「春、早く音楽室へ戻るわよ!! てんとう虫さんに失礼じゃない!!」

 

 「・・・はぁ」

 

 あのデブは嫌だな〜。

 

 「早く戻る!!」

 

 「はいはい」

 

 ・・・仕方ない、戻るしかないか。

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