第73話 キャッスル
「遅いぞ春吉!!」
「わ、悪い!!」
あ〜あ、結局遅れちったよ。
もうみんな来てるし、コーチらしき人達もいるし・・・。
視聴覚室と音楽室、これからは間違えないようにしないと。
「よし、みんな集まったな。じゃあいまからコーチの皆さんを紹介する」
そう言うと赤佐はコーチの方の前へ。
確か、葉城バンド「キャッスル」だっけ?
「まずはギターのアベシーユさん」
あ、アベシーユ!?
「チェース、アベシーユっス!!」
アフロ!?
グラサン!?
色黒!?
革ジャン!?
「あ、ちなみに本名は阿部一郎さんだから」
「オウ、それ言うなよ赤佐チャン!!」
わー奇抜。
「次にベース、キャサリンさん」
キャサリン!?
「ちゃっちゃちゃーす、キャサリンどす!!」
キャサリン男か!!
金髪ロン毛!?
あおひげ!?
女装!?
こいつカマだ!!
「本名は中島寛之さん、本来はおねえバーで・・・・・」
「まぁ赤佐チャン、止めてぇ〜」
わーキモい。
「次にドラムス、ワチリーGOさん」
ワチリーGO!?
「あは、どもっす、アハハのハ」
ま、まさかの白髪ジジィキター!!
顔シワだらけ!?
猫背!?
杖持ってる!?
「本名は橋口夢斗さん。今年で30歳」
「ども!!」
わーギャップ。
「次にキーボードのマイケル野島さん」
マイケル野島!?
「初めまして、マイケル野島です。よろしくお願いします」
ここにきて真面目さんキター!!
七三に眼鏡!?
スーツ!?
「本名は佐藤隆二さんです」
「皆さん、なかよくやっていきましょう!!」
わー野島関係ねぇ。
もうマイケル佐藤でいいじゃないの?
「最後にボーカル」
お! 俺の担当の人か。
「ボーカルはてんとう虫さん!!」
てんとう虫!?
「てんてんとうとうてんとう虫、余炉史駈!!」
よろしくって・・・普通漢字なら夜露死苦じゃ・・・。
ってか、まさかのデブ系な人!?
上下ジャージ!?
天然パーマ!?
汗凄い!?
臭い!?
「本名は豚野豚劼さん、好きな食べ物はチキンラーメン」
「あー、お腹すいたな〜」
わー嫌だ。
「以上がキャッスルのメンバーで、今回のコーチの方だ」
・・・キャッスル、ろくなのいねぇ。
「どうも、てんとう虫です。君がボーカルの子かな?」
「あ、まぁ・・・」
現在個別コーチング時間中。
「君、名前は?」
「き、木山春吉・・・うぅ」
こ、この人汗臭い!!
「木山か、よろしくな。・・・ああ、お腹すいたなぁ〜」
「・・・・・」
はぁ〜、嫌だなこんなデブ。
本当なら、もっと綺麗なお姉さんとかに・・・。
そう、ボイン的な色気のある・・・。
※主人公は思春期。
「おい木山、さっそく発声練習からするぞ」
「・・・あ、はい」
いかんいかん、ギャルゲーのやり過ぎだな、俺。
あんなのは幻想だ。
現実は・・・
「あ・え・い・う・え・お・あ・お」
汗臭デブなんだ。
チクショー!!
「あ〜・え〜・い〜・う〜・え〜・お〜・あ〜・お〜!!」
ども!!
前回、新キャラの泡岸麗が登場したんですけど、なぜ麗が春吉を一発で先輩と分かったのかの理由を書き忘れたので、そこを補足!
まぁ、理由は簡単。
葉城高校の制服は、冬服だろうと夏服だろうとネクタイ&リボンは強制着用なんです。
で、そのネクタイやリボンは学年によって色が違うんです。まぁ、学年色ってヤツです。
ちなみに一年は青、二年は緑、三年は赤。
つまり麗は春吉のネクタイの色を見て先輩だと判断したんですね。
そこのところ、説明不足で申し訳ありませんでした。
正直、書き直すより補足説明した方が早いので、ここで補足&お詫び申し上げます。