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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
春吉ママ参上篇
8/116

第8話 反抗期?


 あー・・・嫌だ。

 

 学校行きたくねぇ。

 

 

 

 

 

 今日はゴールデンウイーク明けの初日。

 

 学校行きたくねぇよ、もう嫌だよ。

 

 ・・・何故ってか?

 貴様ら前話読んでねぇのか?

 

 ・・・はい、アレです。あの時調子乗って楓と・・・ハグしちゃいました。

 あの後、まだ半泣きだった楓を家まで送って行ったっきり、まだ一度も会ってねぇんだよな・・・はぁ・・・。

 

 今日、学校で会ったら、どんな顔すればいいんだ!?

 

 ・・・とにかく、もう帰りたい(現在登校中)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 学校到着。

 

 「ついに・・・来てしまったか・・・」

 

 学校で俺は“ちょっと馬鹿だけど真面目な奴”的なキャラで通ってるから、学校ふける事は出来ないし・・・。

 

 「おお、そこにいるのは春吉か?」

 

 「ひいっ!!」

 

 突然、後ろから声がッ!!

 ・・・つーかこの声

 

 「いや、また偶然だね!!」

 

 「・・・やっぱりか」

 

 そこにいたのは権三朗君でした!!

 

 「何用だ、用がないならさっさと消えろ」

 

 「ヒドッ!!せっかくの出番だと言うのに!!」

 

 ひょろひょろしてる権三朗。

 今はコイツに構っている暇はねぇ。

 

 「ねぇ春吉、何かお話しない?そうすれば僕の出番が増え・・・」

 

 「失せろッ!!」

 

 久々にブチ切れ顔を披露。

 まぁ、今そんなにブチ切れている訳ではないのだが。

 

 「あ・・・ああ・・・調子乗ってすみません!」

 

 権三朗には効果テキメンだから、まぁ楽。

 

 「脇役風情が調子乗るんじゃねえよ!!」

 

 「す、すみませんッ!!!」

 

 半泣きしながら権三朗は教室へダッシュ。

 

 ああ・・・朝は疲れるなぁ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は半ば覚悟を決め、自分のクラスの前へ来ていた。

 ・・・決めた、もう今日は一人、机に伏せてよう・・・。

 

 ガラガラガラッ!!

 

 俺がため息をつきながら扉を開けると・・・

 

 「おー春吉!!」

 

 「・・・・・!?」

 

 教室中央付近にいた楓がこちらに向かい手を振ってる・・・

 

 ・・・随分、ケロッとしてんじゃねぇか。

 

 「おう・・・」

 

 とりあえず返事。

 仕方ない、俺は顔を伏せつつ自分の席へ。

 ハイそこ、ウブとか言わない!!

 

 「よ!!この前は恥ずかしいとこ見せちまったな!!」

 

 俺が席に着くと、トコトコと俺の席の前へやって来た楓。

 

 「あ、ああ・・・」

 

 いかん、目が合わせられない・・・

 向こうはいつも通りの笑顔。

 

 「何か悪かったな、迷惑掛けちまったみたいだし」 

 「いや、別に・・・」

 

 な、なんか・・・コイツの泣き顔みてから・・・変に意識しちゃってる俺・・・ッてわあぁ〜!!

 何考えてんだ、俺!!

 

 「どうした?」

 

 「はッ、いや、何でもな〜い!!」

 

 ハハハ、と笑ってごまかしておこう!!

 

 ガラガラガラッ!!

 

 「はい着席〜」

 

 担任登場。

 

 「あ、じゃ!!」

 

 楓は自分の席へ。

 

 「はい、じゃ〜出席取るぞ・・・赤佐」

 

 「はい!!」

 

 「市原」

 

 「ほ〜い」

 

 「荏咲」

 

 「・・・・・」

 

 「ん?荏咲?」

 

 シーン・・・

 

 「あれ?今日は欠席か?」

 

 担任はとりあえず出席簿にチェック。

 つーかあれ?本当に小夜がいない。

 珍しい・・・無遅刻無欠席の小夜が・・・。

 

 「はい、じゃ次・・・沖島」

 

 「はい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1時間目終了後の休み時間。

 俺の席には相変わらず野郎共。

 

 「もう最悪だぜ。全然手に入らないんだよ、火竜の天鱗」

 

 現在、みんなで携帯ゲームのスイッチオン。

 モンスターを狩ってます。

 

 「ハッハッハ、俺は天鱗三つ持ってるゼヨ!!」

 

 俺はニヤニヤ。

 だってあのレアアイテム、火竜の天鱗を三つも持ってんだぜ!!

 

 「チクショー、何で春吉ばっかり・・・」

 

 「ハッハッハ、うらやましいか?ハッハッハ!」

 

 俺が上の者の気分を味わっていると・・・

 

 ガラガラガラッ!!

 

 「ん?」

 

 教室前方の扉が開き、小夜が入室。

 ん?遅刻か?

 

 「おう!!」

 

 俺は椅子に座りながら首だけ小夜の方へ向ける。

 

 「・・・・・」

 

 シカト!?

 小夜はトコトコと自分の席に行き、着席。

 そのまま机に伏せた。

 

 どうしたんだ?

 

 「おい春吉、今から銀火竜行くけど、参加するか?」

 

 「ああ・・・」

 

 とりあえず、今はゲームに集中しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後

 

 「ねぇ春」

 

 「あ?」

 

 現在、生徒会室。

 いつも通り、生徒会の手伝い。

 

 「今日の小夜、様子おかしくなかった?」

 

 「小夜?」

 

 「うん・・・」

 

 美羽はパソコンで生徒会プリントを作りつつ、俺に質問。

 

 そう言えば、いつもの小夜なら返事してくれるのに、今日はシカトされたな・・・。

 

 「あれじゃね?反抗期って奴じゃねぇの?」

 

 小夜の反抗期・・・想像がつかんが。

 

 「反抗期か・・・」

 

 美羽はパソコンのキーを叩きながら呟く。

 つーかコイツ、タイピングうまっ!!

 

 「まぁ、もしかしたら今日嫌な事があっただけかもしれないし、まだ何とも言えないな」

 

 「うん・・・」

 

 そう、まだ何とも言えないのだ。

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