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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
日常篇・夏
73/116

第65話 虎さん馬さん


 それは、6月も半分が過ぎた頃、担任から唐突に言われた事。

 それは確か、帰りのSHLの時に言われた。

 

 「えー、お前らはもう知ってると思うが、7月の第一週は期末テストだ。あと10日ちょいしかないから、しっかり勉強してこいよ」

 

 ・・・今、たっつあん何て言った?

 

 「ちなみに、一教科でも赤点を取った奴は、夏休み学校に来て補習な」

 

 な、何だってぇぇぇぇぇぇぇぇ!!

 













 「ま、マズい・・・ヤバい・・・マジヤバス」

 

 帰りのSHL終了後、俺は教室でバ〇ビちゃんの如く震えていた。

 

 「赤点一つでも・・・補習・・・ああ!!」

 

 ふ、震えが止まらねぇ〜よ!!

 

 ・・・俺、全く勉強してないし。

 得意教科、体育と昼休みだし。

 授業中、居眠りばっかだし。

 

 「ああ・・・このままだと、俺の夏休みLifeが・・・」

 

 ・・・もう、この世からテストなんか無くなればいいのに。

 

 ちなみに、期末テストの教科は古典、現文、化学、数学、世界史、英語、保健、家庭科の8教科。

 

 葉城高校は昔から、中間より期末の方が教科多いんです。

 ちなみに中間は古典、現文、化学、数学、世界史、英語の6教科。

 






 「マズいぞ・・・今回は化学と数学以外、全部文系だし・・・」

 

 ますます震えが・・・って・・・。

 

 ・・・あっちにも震えている大魔神が一人。

 ・・・そっちにも震えているヤサイ人が一人。

 

 仲間いた!!
















 葉城高校図書室

 

 ここは第4話でのトラウマがある場所。

 しかし、勉強にはもってこい。

 

 「え? モルって何?」

 

 「モルモットの事じゃね?」

 

 「は? モルモット?」

 

 只今、期末震え症候群の三人は、その図書室にて勉強中。

 

 「ってかさ、閉殻とオクテットって、何がどう違うの?」

 

 「え? 三角とオクトパス?」

 

 「・・・・・」

 

 現在、満場一致で苦手だという化学の勉強中。

 

 「おい、ごんぎつね」

 

 「ごッ・・・俺は権三朗だ!!」

 

 「共有電子対と非共有電子対の違いは何?」

 

 「そ、それは・・・10文字と11文字の違い」

 

 「・・・・・」

 

 はぁ〜・・・

 

 「おい、楓」

 

 「何?」

 

 「CO2のCって何だ?」

 

 「CakeケーキのCだろ」

 

 「・・・・・」

 

 今回分かった事

 バカが何人集まろうと、バカには変わりない。

 

 「あ〜もう飽きた」

 

 楓さん、三角定規の真ん中の穴に指突っ込んで、くるくる回してます。

 

 「おーい、遊んでないでちゃんとやれー」

 

 「だって〜飽きた」

 

 「ここは秋田県じゃねーぞ」

 

 「うわっ、つまんない」

 

 「・・・さっきのはスルーしちゃって下さい」

 

 一方のごんぎつ・・・いや、権三朗は

 

 「ZZZ・・・」

 

 寝てるし・・・

 

 もう期末テストは壊滅的状況だな。

 

 その時・・・

 

 「あれ? 楓と春?」

 

 ・・・このパターン、どっかで・・・。

 

 「おう、美羽じゃん!!」

 

 楓さん、今アンタ何て言った?

 

 「え? 今三人で何してたの?」

 

 「ああ、期末のテス勉だよ」

 

 ・・・やっぱり、前にもこんな事、あったな。

 

 「なぁ美羽、ちょっと勉強教えてくんね?」

 

 か、楓さん!?

 

 「うん、別にいいよ!!」

 

 な、何故だ?

 変な汗が止まらない。

 

 「あ、ついでに春と権三朗にも教えてあげる!」

 

 「あ、ああ・・・」

 

 震えが止まらない。

 コレはアレだ、きっと図書室のクーラーが効き過ぎてて・・・。

 

 あれ?

 頭の中で虎さんと馬さんが何か言ってるよ?

 

 何々、第4話を見ろ・・・って何の事だろ?

 

 「じゃあ、早速バシバシいくよ!!」

 

 パッシーン!!

 

 あれ? いつの間にか美羽さん、竹刀なんか持ってる・・・。

 

 「・・・・・」

 

 ああ、さっきの虎さんと馬さんが言ってたのは、死のお告げだったのかも。

 

 「じゃあ、まずは元素の種類から!!」

 

 パッシーン!!
























 で、地獄に堕ちてから数時間。

 午後7時半。

 

 「よーし、とりあえず今日はここまで」

 

 お、俺は・・・帰ってこれたのか?

 

 「三人共、よく頑張りました!!」

 

 笑顔の美羽。

 しかし・・・

 

 「うぅ・・・ぅ・・・ぅ・・・」

 

 楓のHPは残り僅か。

 

 「・・・・・」

 

 ごんぎつねのHPはもはや0。

 戦闘不能状態。

 

 で、俺は・・・

 

 「だ、誰か薬草Please・・・」

 

 HPはギリギリで1

 きあいのハチマキ使いました。

 

 ってか、誰か回復魔法を唱えてくれ・・・

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