第64話 休日
「今日からお前の名前はこがねだ。はい決定」
「ワンっ!?」
あ? 前回の最後と名前が違うだ?
・・・分かりにくいかもしれんが、前回の最後のあれはネタ。
黄金色の犬だから、こがね。
成金みたいだが、まぁマルゲリータよりかはマシだろう。
「あ〜、そういや犬小屋作らないとな」
幸い明日は土曜日。
ホームセンターでも行って、素材買ってくるか。
翌日、土曜日。
「とりあえず、木材とペンキと・・・」
今日はホームセンターに来ています。
こがねの犬小屋の素材を買いにね。
「あと・・・釘と金づちと・・・」
「うわぁ・・・バーベキューコンロ売ってる!」
「バーベキューコンロは家にありますよ、お嬢様」
・・・・・。
「こ、これは何?」
「こちらは、芝刈り機でございます」
・・・・・。
「これは?」
「こちらは、古新聞を纏める紐を簡単に結べる便利グッズです」
・・・・・フッ
何故だ?
何故、ここに亜希がいる?
しかも、黒いスーツ着た従者も一人いるし。
「春吉くん、ここ、何でも売ってるんですね!」
「あ、ああ・・・」
何で?
さっきまでいなかったのに、突然初めからいた風に現れた亜希。
しかも従者も。
「・・・あのー」
「春吉くん見て!! これ全部ネジですよ!! 綺麗ですね!!」
・・・俺、なんかこんなアニメ見た事ある。
「ってか、なんでここに亜希が?」
「え?」
え? ってオイッ!!
「何で亜希がここにいるのかって聞いてるの」
「何ででしょうかね・・・武藤、分かります?」
「お嬢様、それはお嬢様が木山さんに会いたいとおっしゃったから、我々渡邉財閥が全勢力を掛けて木山さんの居場所を突き止め、こうやって会いに来たのでございます」
何ッ・・・!!
「そうでしたっけ?」
「そうでございます」
・・・さっさと買い物して帰ろう。
「ル〜ルル、ルルルル〜ルル、ルルルル〜ル〜ル〜ル〜ル〜」
これ、何のテーマか分かる?
ホームセンターから帰ってきた俺は、このテーマを口ずさみながら、犬小屋作りを開始!!
とんとんとんとん!!
現在、庭にて犬小屋の素材に釘打ち中。
ちなみに、家の中では・・・。
「うわぁ〜、これ何のDVD?」
「すげぇ・・・これ全部深夜アニメのDVDか」
「うわ、これ超エロい事で有名なアニメ!!」
「こっちはちょっとグロいホラーなやつ!!」
家の中では、赤佐と権三朗が人ん家のラックを荒らし中。
「こっちは漫画か・・・うわ、ほとんど集〇社の漫画・・・」
「こっちは講〇社・・・スクウェア・エ〇ックス・・・角〇書店・・・芳〇社・・・秋〇書店・・・って小〇館が一冊もない!」
・・・帰ってくんないかな、あの二人。
「こっちは小説・・・うわ、ラノベばっか」
「・・・春吉、獣耳っ子が好きなんだな」
「うわ、意外だな」
「だってほら、ほとんどのラノベのヒロイン、みんな獣耳」
とんとんとんとん!
・・・シバこうかな。
「こっちは雑誌・・・ジャ〇プやSQとかって・・・ベターだな」
「あ・ヤングマ〇ジン発見!!」
「あれはアニ〇ージュかな?」
「おお!! ベットの下から何か出て来た!!」
何ッ!!
しまった!!
「おいテメェら!!」
ベットの下は駄目だ!
「あ?」
「何?」
「さっきから人ん家で何やってんだ!! もう帰れ!!」
集中して犬小屋が作れない!!
「え〜・・・だって、俺今日暇だし」
「俺も暇だ」
「知るかッ!! とにかくもう帰れ!!」
ル〜ルル〜ル〜ル〜ル〜ル〜、ルルルル〜ル〜ル〜ル〜ル〜
これ、何のテーマか分かる?
ヒント、アニソン。
ちなみにさっきのヤツのヒントは、お昼。
ってな感じで、やっとこさ犬小屋完成!!
「終わった・・・」
あ〜・・・しんどかった。
「ワンワンっ!!」
「あ〜、ワンじゃねぇ、ありがとうだろ?」
「ワン!!」
「・・・ま、いっか」
こうして、俺の休日は過ぎていった。