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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
青上強襲篇
69/116

第61話 終結


 古宇宮 友喜

 

 全ては、コイツのしょーもない事で始まった。

 

 多くの人々の心を踏みにじり、多くの人々に恐怖を与えた。

 

 この男は一体、何を思ってこんな事を・・・

 

 










 けど、今はそんな事どうでもいい。

 


 終わったんだ。













 全て終わった。












 「僕は・・・君達ごときに・・・負ける・・・はずが・・・ない・・・。牛渓・・・守屋・・・早く・・・コイツらを・・・始末・・・しろ」

 

 「あんたはもう、負けたんだよ」

 

 「うぅ・・・お前は・・・?」

 

 「あんたも地に落ちたな。まさか、ただの一般高校生ごときに負けるなんてよ」

 

 「誰だ・・・貴様・・・」

 

 「古宇宮友喜、テメェはもう終わりだ。ブルーパンチもな」

 

 「・・・・・」

 

 「俺はちょいと、日本で暴力団やってる者でね。今日はあんたをスカウトに来たんだが・・・もう用なしだな」

 

 「うぅ・・・」

 

 「俺の名前は山田 誠」

 

 「や・・・ま・・・」

 

 「多分、あんたはこれから刑務所行きだろうが、もしあんたが刑務所から出て来た時、奴らに対して復讐の念があったら、俺の所へ来な」

 

 「・・・うぅ」

 

 「じゃあな」

 
















 あれから、数日後。

 葉城病院

 

 現在、俺は入院中!!

 

 「あ〜・・・病院はつまんねぇ」

 

 

 

 あの事件の後、人質として救助されたウチの一人が警察に通報。

 

 直ぐさま警察が来て、一時大騒動になった。

 

 “高校生不良集団が監禁、暴力事件を起こした”

 

 その日の新聞にも乗り、テレビのニュースにもなった。

 

 古宇宮友喜、守屋徹、牛渓則夫、そして櫛山博一らブルーパンチ全員が逮捕されるという、かなりの逮捕劇となった。

 

 そして、俺ら被害者側は皆病院送りに。

 

 とりあえず入院は俺と夏哉、秋馬、冬希。

 全員古宇宮に斬られた奴らだ。

 

 けど、そんな大怪我でもなかったり。

 

 

 

 そして、しばらくの間、マスコミに追われまくったのは、いうまでもないな。

 













 「さて、読者の皆様に現状報告した所で、やる事なくなった」

 

 あ、ちなみに俺個室。

 快適。

 

 「・・・暇だ」

 

 暇過ぎるので、ちょっとした苦労話を。

 

 みんな忘れてるかも知れないけど俺、今両親いないじゃん?

 だからさ、入院するときめちゃくちゃ大変だったんだぜ?

 

 身元保証人やら、入院費やら。

 

 全く、本当にあの両親には困る事ばかり。

 

 まぁ、けど、ある人のおかげで全て無事、解決したんだけどな。

 

 ガラッ!!

 

 「春吉くん!!」

 

 「来たか・・・」

 

 そう、全ては今、俺の病室に特攻隊の如く突入してきた、渡邉亜希のおかげ。

 

 なんだかね、渡邉財閥が裏から何か回してくれたらしく、すんなり入院出来ちゃったの。

 

 渡邉財閥・・・一体何なんだ?

 

 「春吉くん、お怪我の方は大丈夫ですか?」

 

 「あー、もう大丈夫。傷口も閉じたし、明後日には退院だ」

 

 つーか今日もう退院したい。

 

 「それはよかったです。早く元気になって下さいね!!」

 

 「いや、もう元気なんだけど・・・」

 

 「早く元気になりたいからって、リポビ〇ンDばっかり飲んでたら駄目ですよ!?」

 

 「飲まねぇし、つかもう元気だし!!」

 

 「あと、最近暑いからって、お腹出して寝たら駄目ですよ? 風邪引きますからね」

 

 「お前はオカンかッ!!」

 

 相変わらず人の話、聞かない奴だな・・・

 

 その時!!

 

 ガラガラガラッ!!

 

 「よぉ春吉!!」

 「春吉、大丈夫?」

 「春、元気?」

 

 ああ・・・楓、小夜、美羽・・・!!

 

 「見舞いに来たぞ!」

 

 そう言って楓が俺に渡したもの、アロエの植木鉢。

 

 ・・・嫌がらせ?

 

 「・・・春吉、大丈夫?」

 

 「おう小夜、俺はこの通り元気っス!!」


 ああ・・・一気に病室が賑やかになった!!

 

 「・・・春」

 

 「ん? どした?」

 

 美羽さん?

 

 「あのー・・・さ、ありがとう」

 

 「へ?」

 

 Thank you?

 

 「そうだな・・・ありがとな春吉!!」

 

 「は?」

 

 楓が俺にThank you?

 

 「・・・ありがとう、春吉」

 

 「な?」

 

 何でみんなThank you?

 

 ・・・もしかして、ネタか?

 

 「春・・・私、ちゃんとお礼がしたくて・・・その・・・あの時、春が助けに来てくれて、本当に嬉しかった」

 

 「あの時・・・か」

 

 ・・・。

 

 「本当に・・・ありがとね」

 

 「・・・別に構わん」

 

 なんか・・・気恥ずかしいな、オイ。

 

 しかし・・・

 

 「・・・・・」

 

 古宇宮は・・・本当に・・・何が・・・。











































 僕は、孤独だ。

 

 誰にも相手にされない

 

 話すら聞いてもらえない

 

 誰も振り向いてはくれない

 

 だから、人に振り向いてもらうために、暴力を使う。

 孤独が嫌だから、暴力を振るう。

 

 誰も、僕に逆らえない世界。

 

 僕が孤独にならない世界を作るために。

 

 一人は・・・孤独は・・・

 

 もういらない。

 

 僕には・・・

 もう、力しかなかったんだ。

今回にて、三姫史上かなりのシリアス展開だった青上強襲篇が終了・・・なんですが、実はまだ古宇宮視点の番外編があるんです。


まぁ、それは今度連載を開始する三姫番外編の方に掲載します!!




と、言う事で本編では本当にこれで青上強襲篇終了!!

次回、ちょっと疎かにしちゃった球技大会篇のシメを書いた後、しばらくはコメディー中心の一話完結の話を書こうかなと。


そして、しばらく書いたらコメディー中心の長編“夏休み篇”に突入!!


そんな予定です!!




つまり、これからはギャグ&コメディーの二色でいきたいと思います!!



では!!

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