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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
青上強襲篇
68/116

第60話 総攻撃


 カチャカチャ

 

 「ありがと!!」

 

 カチャカチャ

 

 「助かった!!」

 

 カチャカチャ

 

 「遅ぇぞバカ!!」

 

 「うるせぇ!!」

 

 俺と赤佐は次々と人質のチェーンを解いて回る。

 その間にも・・・

 

 カキンッ、シュッ!!

 

 「・・・フフフ」

 

 「野郎・・・ッ!!」

 

 「クソッ・・・」

 

 二対一なのに、夏哉と秋馬はおされ気味。

 二人とも、相当なダメージを負ってんだな。

 

 「この程度ですか?」

 

 カキンッ!!

 

 「チッ・・・」

 

 「マズイな・・・」

 

 くっ・・・早くみんなのチェーンを解いて、脱出しないと!!

 

 「僕も手伝うよ!!」

 

 「冬希! もう大丈夫なのか?」

 

 その時、冬希がリアカーから降りてきた。

 

 「うん。それより早くみんなを!!」

 

 「分かってる!!」

 

 クソッ・・・まだ半分かよ・・・

 

 「痛っ・・・指が・・・」

 

 チェーンを力ずくで解いてきたから・・・指先痛い・・・。

 けど・・・。

 

 カチャカチャカチャ

 

 「あ、ありがと」


 早くみんなを助けないと!!

 

 その時・・・

 

 「ぐあッ・・・」

 

 「うぅ・・・」

 

 「・・・まだまだだ、僕の足元にすら及ばない」

 

 嘘だろ・・・

 古宇宮の目の前で、夏哉と秋馬が・・・倒れた。

 

 あの二人が負けた!?

 

 「次は誰だい?」

 

 くっ・・・化け物かよ・・・。

 

 「次の相手は僕だ!」

 

 その時、冬希がガバッと立ち上がった。

 

 「梨本・・・君は櫛山に一撃で負けたらしいではないか。そんな君が、敵うと思うのかい?」

 

 「・・・・・」

 

 その時、冬希はそっと背中越しから、彼の武器武器であるボクシンググローブを取り出した。

 

 ってか、そんな所にしまっていたのか。

 

 「・・・掛かってこい!!」

 

 「・・・フフフ」

 

 冬希・・・。

 

 ・・・今はとにかく、人質の救助を!!













 あと数人・・・

 

 「くっ・・・」

 

 数分の死闘の末、冬希は倒れた。

 

 「やはり、弱者は弱者だな」

 

 クソッ・・・

 

 「フフフ・・・逃がしはしない」

 

 ヤバイ・・・まだこっちには人質が・・・

 

 ・・・おし。

 

 「赤佐、残りの人質は任せた」

 

 「えっ、また?」

 

 俺はもう、やるしかない!!

 

 「・・・よぉ、古宇宮くん!!」

 

 「次は君か」

 

 古宇宮め・・・

 

 「て、テメェを倒すのはこの俺だ!! 覚悟しろ!!」

 

 「・・・フフフ」

 

 「わ、笑ってんじゃねーよ、バカ!!」

 

 ズシャッ・・・

 

 次の瞬間、俺の腹に、刀の斬撃が・・・

 

 「うぅっ・・・」

 

 は、早い・・・

 

 「君は・・・やはり、殺すか」

 

 うぅ・・・血が・・・

 

 「フフフフフフ」

 

 くっ・・・痛い・・・もう嫌・・・

 

 その時・・・

 

 「春吉、人質は全員避難したぞ!!」

 

 赤佐の声・・・

 

 「逃げられたか・・・まぁいい。とりあえず君を殺そう」

 

 全員逃げたか・・・

 なら、俺も早く逃げないとな・・・

 

 ズシャッ!!

 

 「ぐあっ・・・」

 

 また斬撃を喰らった。

 

 「・・・フフフ」

 

 クソッ・・・が・・・

 

 「そろそろ出血もかなりの量に・・・では、これで終わりにしますか」

 

 アカン・・・

 

 「さようなら」

 

 く・・・そ・・・

 

 










 ガコンッ!!

 

 「なっ・・・!!」

 

 その時、古宇宮の動きが止まった。

 

 「はぁ〜はぁ〜、後ろがお留守だぜ」

 

 「貴様・・・ッ」

 

 櫛山のバットが、古宇宮の後頭部を捕らえた。

 

 これが、総攻撃の始まりだった。

 

 「オラッ!!」

 

 バコッ!!

 

 「しまっ・・・グハッ!!」

 

 倒れていた夏哉が持てる力全てを使って起き上がり、一気に木刀で奴の腹に突きを放った。

 

 「クソッ・・・ッ」

 

 古宇宮は刀を構え、二人から一旦距離を取る。

 しかし・・・

 

 「フンッ・・・」

 

 まだ意識のあった秋馬の鞭が、古宇宮の手に直撃!!

 

 「痛ッ」

 

 カラッ〜ン!!

 

 古宇宮は、そのまま刀を落とした。

 

 「しまっ・・・」

 

 「オラッ!!」

 「フッ・・・」

 「セイッ!!」

 

 櫛山のバット、夏哉の木刀、秋馬の鞭が、この連続攻撃で完璧に流れを崩した古宇宮の四肢を狙う。

 

 そして・・・

 

 「えいっ!!」

 

 フラフラになりながらも、何とか立ち上がった冬希の拳が、古宇宮の顔面を襲う。

 

 「クソッ・・・」

 

 俺を殺すために見せた、一瞬の隙。

 

 それが、完璧とも言えた古宇宮の唯一の失態。

 

 その一瞬の隙のせいで、流れは変わった。

 

 

 

 

 

 「とどめはお前がしろ」

 

 「うぅ・・・」

 

 俺の目の前には、ボロボロの古宇宮。

 お互い、もう立つのがやっと。

 

 周りのみんなに至っては、全員床に倒れている。

 

 

 

 俺の武器、それはこの拳そのもの。

 

 「おらあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 「・・・フッ」

 

 うわ〜、傷口超開いた。痛い。

 けど・・・

 

 ドカッ!!

 

 痛かったけど、その瞬間、全てが終わった。

なんか最後の方、少しはしょりすぎちゃった気もしますが・・・まぁ、決着。

しかし・・・




次回、青上強襲篇最終回です!!

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