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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
青上強襲篇
66/116

第58話 春風吹く

ども!!


今回から春吉目線に戻ります!!


 「フフフ・・・」

 

 「・・・・・」

 

 む、無理っス。

 勝てる気がしないっス、ウッス。

 

 「どうした? 早く掛かってこないのかい?」

 

 今回の事件の首謀者、古宇宮と一騎打ち。

 

 初めはね、あんなキモい野郎なんかぶっ飛ばす!! みたいな感じできてたんですけど・・・

 

 「フフフ・・・では、こちらから行きますよ?」

 

 あの・・・奴・・・古宇宮の手にね、何だか・・・銀色に光る・・・鋭利な物が・・・。

 

 「あのー古宇宮さん」

 

 「・・・何か?」

 

 「その、貴方様が手に持っている、その銀色の物は一体・・・?」

 

 怖いけど聞いてみる。

 

 「これですか?」

 

 古宇宮は、その手に持っている物を軽く上に掲げた。

 

 「これは、名刀“嵐雲月陰”ですが何か?」

 

 ランウンゲツエイ?

 って、

 

 「って、もろガチの刀じゃねーかッ!!」

 

 ノーマルに突っ込んでみた。

 

 「そうですよ、これはれっきとした真剣」

 

 この人、もしかして銃刀法を知らない?

 

 「我が古宇宮は戦国時代、とある名武将に仕えていた武家の家。真剣の一本や二本、普通にあります」

 

 あ、あんですと!?

 

 「フフフ・・・今日は一本、家から拝借してきました」

 

 キラリ〜ンっと、シルバーに輝く刀。

 こ、怖い・・・。

 

 「フフフ・・・では、行きますよッ!!」

 

 や、ヤバイか? この状況。

 つか、真剣とか反則だろッ!?

 マジで殺人鬼?

 

 

 

 その時!!

 

 キィ〜キィ〜キィ〜

 

 「ん?」

 

 な、何の音?

 

 キィ〜キィ〜キィ〜

 

 「・・・フフフ、この音は」

 

 古宇宮は何故か、倉庫の方を凝視。

 すると・・・

 

 キィ〜キィ〜キィ〜

 

 「あ〜だりぃ〜」

 

 そ、倉庫の陰から、リアカー引いた若い兄ちゃん来た!?

 

 「櫛山か・・・」

 

 櫛山?

 

 「あー、古宇宮いた」

 

 櫛山って人は、リアカー引きながら古宇宮の前へ・・・ってか新手!?

 

 「櫛山・・・南と西の守護はどうした?」

 

 「あー、その事でお土産持って来た」

 

 何やってんだ?

 

 「お土産?」

 

 「ああ、リアカーの中見てみ」

 

 「・・・フフフ」

 

 うぅ・・・ここからじゃ中身見れない

 

 「フフフ・・・櫛山、あいつにも見せてあげなさい」

 

 「あいつ・・・ああ、あんたの相手の」

 

 すると、リアカー引いた櫛山はこっちへ接近。

 

 「あ、あの・・・」

 

 「・・・アンタ、名前は?」

 

 「な、名前?」

 

 何だこの人?

 

 「き、木山春吉!!」

 

 「春吉か・・・先に言っとくが、これは古宇宮の命令だからな」

 

 ん?

 何が?

 

 俺は、恐る恐るリアカーの荷台に視線を向けた。

 

 「・・・えっ」

 

 な、何だコレ?

 

 「・・・これはさっき、俺が各入口で拾ってきたものだ」

 

 リアカーの荷台に乗せられていたのは・・・

 

 ボロボロのバネ人間、真っ赤なハゲメガネ、無傷な冬希。

 ・・・無傷?

 

 ちなみにみんな意識なし。

 

 「安心しろ。梨本って奴とそっちの長身の奴は気絶してるだけだ。メガネの奴は火傷してっけど、命に別状はねぇ」

 

 「えっ・・・?」

 

 みんな・・・

 

 「フフフ・・・櫛山、ついでにそいつも狩りなさい」

 

 なっ・・・

 

 「・・・また命令か」

 

 「早く狩りなさい」

 

 「・・・・・」

 

 ひぃ〜!!

 この人、釘バット持ってる!?

 

 「狩りなさい」

 

 「・・・ああ」

 

 くっ・・・来るか?

 どうしよ・・・。

 

 「じゃ、行くぜ」

 

 「こ、こいやぁ〜!」

 

 しゃーない、俺は腹をくくったぞ!!

 

 「・・・フッ」

 

 は、鼻で笑われた!?

 

 「・・・・・ッ」

 

 次の瞬間!!

 

 タッ!!

 

 「何っ!?」

 

 「覚悟しな」

 

 ガキィ〜ン!!

 

 その瞬間、櫛山の釘バットは、何故か古宇宮の刀とぶつかり合っていた。

 

 「えっ・・・」

 

 な、何がどうなって・・・

 

 「・・・櫛山、これはどういう事です?」

 

 「・・・フッ、悪ぃが狩りの対象、アンタにさせてもらうぜ」

 

 ジジジジジジっと、刀と釘バットがぶつかり合い、火花が・・・。

 

 「おい、春吉だっけか?」

 

 「は、はい?」

 

 櫛山が古宇宮相手に話し掛けてきた!!

 

 「そのリアカー引いて、倉庫の中行け」

 

 「はい!?」

 

 え・・・?

 

 「櫛山・・・どういうつもりだ」

 

 「・・・もう、お前の下で喧嘩すんのは懲り懲りだ。まぁ、謀反ってやつ?」

 

 櫛山と古宇宮は戦闘中!!

 

 ・・・今、チャンスだよな!?

 

 何故かは知らんが、相手は仲間割れの模様。

 よし、俺はとりあえずリアカーを引っ張る!!

 

 「うおぉ〜!!」

 

 高校生三人は重い!!

 けど、俺はそのまま倉庫へGO!

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