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三人の姫と一人の手下の物語  作者: 五円玉
青上強襲篇
65/116

番外話 主人公の愚痴

まさかの番外篇!!

作者の気の迷いです!!


今回の話は、作中の世界観崩壊の危険性があるため、本編を純粋に楽しみたい人は見ない方がいいかも・・・。


まぁ、別に構わんって人はどうぞ。


シリアス0%、超ギャグな番外話です!!


 とある日の夜遅く

 辺りは真っ暗。

 

 街の外れにある、小さなおでん屋の屋台。

 赤い提灯が辺りを照らす。

 客はいない。

 

 そこに、一人の若者がやって来た。

 

 「へい、いらっしゃい・・・」

 

 店の親父は、客の若者にコップを差し出す。

 

 「ありがと。・・・親父ぃ」

 

 若者は羽織っているコートを脱ぎ、隣の椅子に置いてから、屋台のカウンターにぐだぁ〜と突っ伏せた。

 

 「俺、もうだめだ」

 

 「・・・どうした若いの、何かあったのか?」

 

 親父は客に皿と箸を差し出し、自らも椅子に座った。

 

 「親父ぃ、とりあえずコーラ」

 

 「あいよ」

 

 「あと卵とがんもどき、大根」

 

 「あいよ」

 

 店の親父は冷凍庫からコーラを取り出し、客の傍に置いた。

 

 「・・・・・」

 

 客はそのコーラを開け、コップに並々と注ぎ、一気にグイッと飲み干す。

 

 「ぷはぁ〜・・・親父、ちょっと俺の話、聞いてくれるか?」

 

 「ああ。で、どうしたんだ若いの?」

 

 「・・・俺ぁさ、実はある小説で主人公やってんだよね」

 

 客は再びコーラを一気。

 

 「ほほう、兄ちゃん、主人公やってんのか」

 

 「ああ。ぶっちゃけ、主人公ってカッコイイじゃん? 現に今俺、時代の波に乗ってると思ってんだよね」

 

 「おう、兄ちゃんいかしてるでぇ」

 

 そう言うと、親父はそっとがんもどきを皿に乗せた。

 

 「ありがと・・・でもさ、主人公ってめちゃくちゃ大変なんだぜ」

 

 「そういや大変らしいな。この前も若者が来て『もう猫はいやだ』とかぼやいてたしな」

 

 「ああ、そりゃもう大変だよ。この前だって、ウチの小説のメインヒロインの内の一人がさ、突然俺に『最近出番がねぇ!! もっと出番よこせ!!』って・・・」

 

 「そりゃ、大変だったな・・・」

 

 「そうだよ、俺に言ったってどうにもならないんだよ。言うんだったら作者に言えってんだ、あのチビ大魔神め!!」

 

 そこで客は服の袖をめくった。

 

 「見てくれよ、ココ。その時グー喰らって、あざが出来たんだ」

 

 「うわ・・・こりゃ上物のあざだな」

 

 「全く・・・確かに俺ぁ主人公だけどよ、主人公が何でも出来るって訳じゃねぇんだよ。大人しく人質になってろってんだ!!」

 

 客はさらにコーラを一気、そしてがんもどきを一口。

 

 「あとよ、今不良と戦うシーン撮ってんだけどよ、あのハゲメガネ野郎が『僕がこんな簡単にやられてたまるか!! もっとカッコイイシーンが欲しい』とかほざきやがって・・・」

 

 「あんだ? 若いの、監督までやってんのか?」

 

 「いやいや、監督は作者だよ。なのによ『爆竹って、普通武器か?』とか言ってきて・・・だったらダイナマイトにしたろかってんだハゲェ!!」

 

 客はまたまたコーラを一気。

 親父は皿に大根を置き、客に差し出す。

 

 「まぁまぁ、若いうちってのは、いろいろとあるもんだ」

 

 「けどよ・・・だからって、俺に『主人公代われ』って言ってきたヤツもいるんだぜ。あのヤサイ人野郎・・・」

 

 「主人公代われか・・・作者、きっと精神的にダメージ大だな」

 

 「だろ? なのにヤツ、『俺も廃工場突入メンバーに入りたかった。もうボケキャラ辞めて、カッコイイ知的キャラになりたい』とか・・・テメェは一生波動拳大会でもしてろってんだボケェ!!」

 

 客は大根を一口でたいらげた。

 

 「作者の気持ちも考えろってんだ。作者だって『やべぇ、このまま行くと、青上強襲篇にヤサイ人と渡邉嬢の出番ねぇ・・・』って・・・ってか今のネタバレじゃねぇーか!!」

 

 「若いのも苦労してんだな」

 

 「そうだよ親父、俺だってさ、アニオタのビビリ野郎ってキャラはやだよ、バネ人間みたいなクールキャラになりたいよ。でもそしたら読者からの批判が・・・」

 

 「だよな、主人公にとって読者離れってのが一番怖いらしいな」

 

 「そうだよ、読者離れが一番怖い。だから今更キャラ変更とかできねぇんだよ、ああ・・・」

 

 「若いのも、作者も大変だなぁ」

 

 親父は、こんどは卵を皿に取り、客の前へ

 

 「こちらとて、作中のキャラの性格が被らないよう、いろいろと凄く大変なんだよ。もう新キャラとか考えるのマジ大変」

 

 「若いの・・・いや、今のは作者の愚痴か」

 

 「もう大変大変、とくに青上キャラ作るのなんか。もうキャラ性格不足で、グロッキーキャラとか、オッサンみたいなキャラまで作っちゃう始末」

 

 「・・・何だかんだで、作者が一番世界観壊してるな」

 

 「はぁ・・・」

 

 客は卵にかじりつく。

 

 「あとよぉ俺、さっき言った通りアニメ好きって設定なんだけどよ、作者がまぁアニメにうとい」

 

 「そりゃ、また随分と・・・」

 

 「だろ? 超知ったかぶりキャラなんだよ俺ぁ。まぁ、作者も最近はアニメ見るようにはなってきたんだけど」

 

 「それはそれは・・・」

 

 「けどよ、ビビリヲタキャラを書くなら、せめて深夜見てから書けってんだ!!」

 

 「・・・若いの、そんな事言ってると、出番減らされるぞ」

 

 「・・・・・」

 

 客はまたまたまたコーラを一気。

 

 「・・・もう、嫌」

 

 「・・・頑張れ若いの、きっといい未来が待ってるよ」

さてさて、青上強襲篇もいよいよクライマックスに近付いてきました!!


次回は、春吉と古宇宮の戦いがメイン!!

冬希と櫛山の行方は!?



では次回、第58話をお楽しみに!!

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